研究課題
基盤研究(C)
喉頭亜全摘出Supracricoid laryngectomy with Cricohyoidoepiglottopexyについて施行症例を集積し、順調に経験を重ねた。以前の研究で得られた、披裂軟骨の可動性、牽引方向、新声門の振動部位などの研究成果を基により良好な機能を目指した手術手技の改良につないでいる。この成果はいくつかの論文で報告されており、世界的観点かな見ても重要な成果である。手術手技改良によっても理想的な声門閉鎖などの機能が得られない症例がある。新声門の閉鎖不全を補うために、頬粘膜から採取された脂肪体の新声門拡大部への注入を試みている。頬粘膜脂肪体は他の脂肪採取部にに比べて脂肪細胞が吸収されにくい特徴があるとされている。採取も容易で簡便であった。注入に際し、新声門の多様性の形態学的変化に対応するためナビゲーションシステムによる位置確認を行っている。本システムは頭蓋、鼻腔などの硬組織でのガイドには向いているとされているが、これを世界で初めて頭頸部、咽喉頭領域での適応が手技的に可能であることを実証した。また、新声門への脂肪の注入量、注入部位、角度についても検証を行った。脂肪注入による温存機能の評価も合わせて行い、良好な結果を確認した。
2: おおむね順調に進展している
喉頭亜全摘出Supracricoid laryngectomy with Cricohyoidoepiglottopexyについて施行症例の集積、経験を順調に重ねることができている。本術式が国内で認知され、患者側のみでなく、医療者側からも紹介が増加している。以前の研究で得られた、披裂軟骨の可動性、牽引方向、新声門の振動部位などの研究成果を基により良好な機能を目指した手術手技の改良につぐ方向性が順調に進められている。この成果はいくつかの論文で報告されている。手術手技改良によっても理想的な声門閉鎖などの機能が得られない症例に対して、新声門の閉鎖不全を補うために、頬粘膜から採取された脂肪体の新声門拡大部への注入を計画し、倫理委員会の了承の元、臨床応用に用いているが、施行が順調にできている。注入に際し、ナビゲーションシステムによる位置確認を行っているが、このシステムの応用も順調に施行できている。また、新声門への脂肪の注入手技の詳細検討も良好に経過している
喉頭亜全摘出Supracricoid laryngectomy with Cricohyoidoepiglottopexyについて施行症例をさらに集積し、経験を増やしたいと考えている。より良好な機能を目指した手術手技の改良は未だ課題もあり、引き続き検討を進める必要がある。研究成果を定期的に世界的学会誌に投稿し、公開したいと考えている。新声門の閉鎖不全を補うために、頬粘膜から採取された脂肪体の新声門拡大部への注入を立案し、臨床応用を始めたが、症例のさらなる集積が必要である。ナビゲーションシステムによる咽喉頭領域の応用もさらにデーター集積が必要であると考えている。また、新声門への脂肪の注入量、注入部位、角度についても検証を行った。脂肪注入による温存機能の評価も合わせて行っていきたいと考えている。
新声門の機能評価に必要な機器の消耗品経費に計上を予定している。脂肪注入にかかる危機についても改良が必要である。国際学会への研究成果の報告、情報収集の目的にも使用を計上したい。海外雑誌への投稿に関連する費用も計上を予定している。
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Auris Nasus Larynx
巻: 40(2) ページ: 207-210
10.1016/j.anl.2012.07.014
巻: e-publication ページ: 1-6
pii: S0385-8146(12)00202-7. 10.1016/j.anl.2012.09.001