喉頭亜全摘出術は中等度~厳選された高度進行喉頭癌に適用される機能温存手術である。両側声帯を含む甲状軟骨からなる喉頭の3/4を切除し、残る1/4である舌骨と輪状軟骨、披裂軟骨を接合して新声門を再建する。1970年代以降、欧州諸国で定着し、本邦へも1997年に導入された。 術後の喉頭機能は「Cricoarytenoid Unit」によって支えられる。新声門の括約は喉頭蓋と披裂部の協同作用によって行われる。音声は粗造性であるが社会復帰が可能である。音声・嚥下機能の向上に向けた基礎研究を行った。新声門の形態が術後機能に大きく関わることを明らかにし、適正な新声門につながる手術手技について提唱を行った。
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