研究課題/領域番号 |
24592611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
粟飯原 輝人 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30268619)
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研究分担者 |
平塚 純一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30192298)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 硼素中性子捕捉療法 / 加速器中性子源 / 原子炉中性子源 / 頭頸部癌 / BPA |
研究概要 |
頭頸部領域は機能上・美容上その温存が大変重要であり、現在の頭頸部癌治療の主流である外科的治療、放射線治療、抗癌剤治療の3者を至適に組み合わせる方法で治療が行われている。しかし、放射線や抗癌剤治療に対する治療効果が確立されていない非扁平上皮癌疾患や、進行頭頸部癌では腫瘍の拡大全摘手術が根治を目指す主な治療法であり、患者は生命予後と引き替えに、治療後の美容的かつ機能的なQOLの大幅な低下を来している。このような、従来の治療法では制御困難と思われる病巣を、最低限の侵襲で正常臓器を損なうことなく制御できれば、患者の負荷は勿論のこと治療後の高いQOLが期待できる。この目的に合致する治療法として加速器中性子源を用いた硼素中性子捕捉療法(boron neutron capture therapy : BNCT)であると考え、同治療の頭頸部癌に対する有効性を明らかにするのが本研究の目的である。 川崎医科大学では「頭頸部腫瘍に対する中性子捕捉療法プロトコ-ルの確立」として同学倫理委員会の承認を得て、2003年10月から頭頸部癌症例のうち、従来の標準頭頚部癌治療を行っても病変が増大する難治性症例17例(扁平上皮癌10例、腺様嚢胞癌2例、乳頭状腺癌2例、腺癌1例、未分化癌1例、粘表皮癌1例)を原子炉で同療法を行い、CR:8例、PR:7例、NC:2例、奏功率:88%と高い局所制御率を認めた。しかしながら、3年生存率15%、5年生存率0%と生命予後に寄与はしなかった。その理由として、再発制御不能頭頸部癌は既に様々な治療を行われており、その結果治療耐性を来している場合や、治療開始時に潜伏した遠隔転移を既にあると考えられた例が多い事が上げられる。 現在川崎医科大学では、加速器照射に向けて原子炉照射の治療効果の再検討を行っており、24年度は7例の頭頸部癌症例に対して同治療を行い、有効性を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
京都大学原子炉実験所において、加速器中性子源を使用した頭頸部癌治療の開始が遅れているために、計画していた硼素中性子捕捉療法の症例数が行えていないため。
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今後の研究の推進方策 |
加速器中性子源を利用した硼素中性子捕捉療法開始までは、従来通り原子炉を用いた同療法を行い、引き続き基礎データーを取得する。特に照射4週間後に行う初期治療効果判定における、照射後線量評価と視診と画像診断を総合して行う臨床的効果判定の整合性を検証する。この時点で腫瘍縮小率が50%未満であった場合には可及的速やかに拡大手術を予定し、組織学的な効果判定を検証に加える。 しかし、50%以上の縮小率であった場合は照射8週間後に同様にして治療効果判定を行う。照射8週後の時点で画像上で腫瘍の消失を認めた症例は、CR症例として以後4週間ごとの経過観察を行い、その経過で18F BPA-PET検査を年間2回程度行い、治療前における病変部のBPA取り込みを治療前と比較して、腫瘍の活動性を推測する。この時点で腫瘍の消失を認めない場合は、可及的速やかに拡大摘出術を予定し、治療を継続し総合的な治療効果を判定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続き原子炉による硼素中性子捕捉療法を継続するために、BPA-PETの施行と治療に用いるBPAの購入のために90万円程度の研究費を必要とする。また、情報収集のための学会や研究会参加や、京都大学原子炉実験所で行われるBNCTに参加するための旅費に50万円程度必要となる。H24年度はBNCT施行症例が少なかったため研究が遅れ、予定の物品購入(BPAおよびBPA-PETの施行)ができていないため次年度使用額が生じた。 H24年度繰越額はH25請求額とあわせてBNCT施行のためのBPAおよびBPA-PETの施行の購入費用として使用する。
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