Vascular adhesion protein (VAP)-1は血管内皮細胞の表面に発現する酵素機能を有する接着分子である。VAP-1は可溶型フォーム(sVAP-1)も存在し、その酵素機能によって酸化ストレスに関与することが知られている。本研究では、血管内皮細胞に糖負荷や炎症性サイトカイン刺激が加わると、sVAP-1産生が増加することが明らかとなった。また、その機序にマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)ファミリーに属するMMP-2やMMP-9が関与することも明らかとなった。本研究データは、糖尿病網膜症の病態におけるsVAP-1産生メカニズムに関する新しい知見を示すものである。
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