研究課題/領域番号 |
24592619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平岡 孝浩 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30359575)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 薄暮時視機能 / 実用視力 / 視力安定性 / Quality of Vision / 暗所 / 明所 |
研究概要 |
薄暮時実用視力計を試作した.視標照度は0.1cd/m2と設定し,暗室で15分の暗順応を行ったのちに,薄暮時実用視力検査を行った.本年度はまず正常値の決定のために,健常ボランティアをリクルートし,68症例68眼の検査を施行した.対象者の年齢は24.0±4.4 (平均±標準偏差)歳(21~43),性別は男性40例,女性28症例,屈折は-2.97 ± 2.87 D(-11.50 ~0.00 D)であった. これらの症例に薄暮時実用視力を60秒間測定.各パラメーター(実用視力,最高/最低視力,視力維持率,瞬目数)を明視下での結果と比較した. その結果,薄暮視でのlogMAR実用視力は0.52 ± 0.14,logMAR最高/最低視力は0.33 ± 0.12/0.78 ± 0.20,視力維持率は0.94 ± 0.04,瞬目数は7.23 ± 6.20であった.薄暮視では瞬目数を除いた全ての項目が明視下での結果よりも有意に悪化していた(p < 0.0001). 上記に示したように,薄暮視では視力が低下するだけでなく,安定性も悪くなることが判明した.この原因として,暗い背景の中の小さな視標を判別するという環境が調節微動を増加させ,視力変動を増大させた可能性が考えられた.過去にこのような視機能の安定性を証明した報告は認められず,今回の検討による新知見である.本検査法は視機能低下をより鋭敏に検出できるツールとして臨床応用できる可能性がある. 以上の結果は,第66回日本臨床学会総会(2012年,10月,京都)において,一般演題として報告した. 今後は今回の正常眼の結果をもとに,病的眼の特徴を調査していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は順調に進んでいる.当初の予定通りである.次年度も計画通りに進めていきたい.
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今後の研究の推進方策 |
上記に記した通り,研究は予定通り順調に進んでいる.今後も予定通り着実に研究を進めていく予定である.次の目標は病的眼やさまざまな治療眼において,当検査を応用し,それぞれの特徴を抽出することである.また瞳孔解析機能の掲載も試みていきたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当しない.
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