薄暮時実用視力計を新規開発した.健常者68人で測定を行い,明視時実用視力の結果と比較検討した.測定は既に市販化されている実用視力計(AS-28,コーワ)を使用し,まず明視時実用視力を測定した.その後15分間の暗順応を行い,今回開発した測定装置で薄暮時実用視力を測定した.測定は片眼ずつ行い60秒間連続測定した.結果を比較すると薄暮時ではほぼ全ての測定バラメータが悪化していたが,特に注目すべきは最高視力と最低視力の差や標準偏差が薄暮時で有意に大きくなり,つまり薄暮時の環境下では視機能が低下するだけでなく,その低下した視機能を継時的に維持するのが困難になるということが初めて明らかとなった.
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