研究課題/領域番号 |
24592621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
間渕 文彦 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (20322125)
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研究分担者 |
相原 一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80222462)
櫻田 庸一 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (90456476)
柏木 賢治 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (30194723)
飯島 裕幸 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80114362)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | エストロゲン受容体 / ESR1 / ESR2 / 眼圧 / 原発開放隅角緑内障 / ESR1ノックアウトマウス / ESR2ノックアウトマウス / POAG |
研究概要 |
これまで我々は、estrogen receptor beta (ESR2) 遺伝子多型の頻度が女性原発開放隅角緑内障 (POAG) で高く、眼圧上昇に関与していることをみいだし報告したが、estrogen-受容体による眼圧制御、眼圧上昇のメカニズムを分子生物学的レベルでより明らかにするため、Jackson Labolatoryよりestrogen receptor alpha (ESR1) 、ESR2ノックアウトマウスを購入。これらノックアウトマウスの眼圧上昇、視神経障害評価を行い、POAGモデルとしての可能性について検討するため、ESR1ノックアウトマウス、ESR2ノックアウトマウス共、まずは野生型×ヘテロ遺伝子変異マウスの交配により繁殖実験を行った。他、対照コントロールとして野生型マウス、視神経障害評価のため、網膜神経節細胞 (RGC) の特異的蛋白であるThy1蛋白遺伝子にgreen fluorescent protein遺伝子をトランスジェニックすることにより、生体下にてRGCが自発蛍光を発するマウス(RGC自発蛍光マウス)の繁殖実験も併せて行い、ESR2ノックアウトマウスについては繁殖がやや不良であるが、実験が可能な繁殖が確認できた。また、生後6~8週令のESR1ノックアウトマウス、ESR2ノックアウトマウス、野生型マウスについて、腹腔内麻酔の後,両眼の夜間眼圧(21:00~23:00)を測定したところ、両眼の平均眼圧は、ESR1ノックアウトマウス 20.6mmHg、ESR1ノックアウトマウス対照コントロール (野生型マウス) 20.3mmHg、ESR2ノックアウトマウス 18.3mmHg、ESR2ノックアウトマウス対照コントロール (野生型マウス) 19.9mmHgであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
estrogen-受容体による眼圧上昇、視神経障害のメカニズムを分子生物学的レベルでより明らかにするため、estrogen receptor alpha (ESR1) ノックアウトマウス、estrogen receptor beta (ESR2) ノックアウトマウス、網膜神経節細胞 (RGC) 自発蛍光トランスジェニックマウスの繁殖実験を行い、ESR2ノックアウトマウスについては繁殖がやや不良であるものの、実験が可能な繁殖が確認でき、今後の解析が行える状態となっている。また、これらマウスの眼圧測定も開始しており、予定通りの進捗状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
これらマウスの繁殖を続けて数を増やし、眼圧測定を生後2-3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年で行い、estrogen receptor alpha (ESR1) ノックアウト、estrogen receptor beta (ESR2) ノックアウトにより眼圧に変化がみられないか野生型と比較検討を行っていく。また、これらノックアウトマウスを網膜神経節細胞 (RGC)自発蛍光トランスジェニックマウスと交配させることにより、ESR1、ESR2ノックアウトマウスのRGC減少を評価し、視神経障害がみられないか検討を行っていく。さらに、繁殖が可能であればESR1とESR2のダブルノックアウトマウスを作成し、同様に眼圧、視神経障害評価を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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