眼内への抗体療法を目的とした徐放性を有する抗体内包リポソームの作製を行った。作製したヒトIgG内包リポソーム溶液は100nmの均一な粒子をもち、使用ヒトIgG量の16-21%がリポソームに内包可能であった。漏出量に関しては、経時的な漏出率の増加が認められ、60日後の漏出率は約35%であった。リポソーム表面をアルブミンコートすることによって、漏出率を低く調節できることがわかった。次にベバシズマブ内包リポソームを作製し、リポソームからのベバシズマブの漏出量を検討した。前房水のベバシズマブ量に徐放効果が認められた。抗体内包リポソームが眼内への抗体療法の手段となりえる可能性が示唆された。
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