研究課題/領域番号 |
24592625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻川 明孝 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40402846)
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研究分担者 |
大音 壮太郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10511850)
村上 智昭 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50549095)
宇治 彰人 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60534302)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 補償光学 |
研究概要 |
補償光学を適用走査レーザー検眼鏡の眼底トラッキング機能の向上により固視微動などの補正を高速で行うように改良した。更に、平面分解能約3ミクロンの高解像度画像を獲得するために、リアルタイムに眼球全体の収差を計測し、測定光束が眼底をスキャンする前後で波面補正素子を2度通過させることで完全に眼球収差を取り除くシステムを採用しているが、処理速度を高め、ことができるようにシステムに改良を行った。更に、フォーカルプレインを網膜色素上皮から硝子体腔側に自動的に移動させ、三次元的な撮影を行うことができるように装置の改良をおこなった。システムソフトウエアの改良を行い、撮影操作が簡便になり、撮影が効率よく行われるようになった。 現有する補償光学を適用走査レーザー検眼鏡試作機を用いて、黄斑浮腫が消失した陳急例、黄斑浮腫を伴った急性例の視細胞を細胞レベルで撮影・画像化し、細胞障害の程度を定量的に解析した。その結果、網膜静脈閉塞症が生じた領域では視細胞密度が有意に減少し、マイクロペリメトリーを用いて測定した網膜感度は有意に低下していた。また、神経線維束を正常眼、緑内障眼で画像化し、緑内障眼では神経線維束が狭細化していることがわたった。 これらより、網膜各層を補償光学を適用走査レーザー検眼鏡で画像化することが可能になり、今後、三次元構築を行うための準備が進んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
補償光学を適用走査レーザー検眼鏡の眼底トラッキング機能の向上により固視微動などの補正を高速で行うように改良した。更に、平面分解能約3ミクロンの高解像度画像を獲得するために、リアルタイムに眼球全体の収差を計測し、測定光束が眼底をスキャンする前後で波面補正素子を2度通過させることで完全に眼球収差を取り除くシステムを採用しているが、処理速度を高め、ことができるようにシステムに改良を行った。更に、フォーカルプレインを網膜色素上皮から硝子体腔側に自動的に移動させ、三次元的な撮影を行うことができるように装置の改良をおこなった。システムソフトウエアの改良を行い、撮影操作が簡便になり、撮影が効率よく行われるようになった。 現有するSLO試作機を用いて、黄斑浮腫が消失した陳急例、黄斑浮腫を伴った急性例の視細胞を細胞レベルで撮影・画像化し、細胞障害の程度を定量的に解析した。その結果、網膜静脈閉塞症が生じた領域では視細胞密度が有意に減少し、マイクロペリメトリーを用いて測定した網膜感度は有意に低下していた。また、遷延性黄斑浮腫を伴った症例での視細胞は撮影できる症例とできない症例があることがわかった。 また、神経線維束を正常眼、緑内障眼で画像化し、緑内障眼では神経線維束が狭細化していることがわたった。 また、網膜毛細血管を流れる、白血球を画像化し、速度の測定も行った。
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今後の研究の推進方策 |
補償光学を適用走査レーザー検眼鏡を用いて撮影したデータから、三次元的な網膜構造を再構築するプログラムを開発する。補償光学を適用走査レーザー検眼鏡はビデオレートでの撮影が可能である。フォーカス面を網膜色素上皮から硝子体腔側に移動させながら連続的に浮腫のある領域の撮影し、その後、三次元での構造を細胞レベルで再構築するシステムを作成する。最初に健常眼でシステム構築・ソフトウエアの開発を行い、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の病理眼に適応を広げる。解像度の限界から現行のOCTでは不可能であった細胞レベルでの黄斑浮腫の病態・構造・機能解析を行う。 補償光学を適用走査レーザー検眼鏡ではビデオレートでの撮影が可能であり、網膜毛細血管レベルでの個々の血球の血流動態の解析を行うことができる。網膜静脈閉塞症症例に適応し、個々の血球の循環動態を解析するシステムを確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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