研究課題/領域番号 |
24592626
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田村 寛 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40418760)
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研究分担者 |
大音 壮太郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10511850)
荻野 顕 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70622629)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 予測モデル / 2眼目 / 国際情報交換 / ゲノム |
研究概要 |
この研究は、ゲノム情報や視細胞の形態・生理変化に基づく加齢黄斑変性の僚眼発症予測モデルの確立を目的として計画された研究である。今年度は計画に従って以下の研究を行った。 前年度に引き続き、各症例への治療及び各種診療データ収集を継続した。AO-SLOの検査状況の調整:随時必要となる検査状況の修正には大きな変更が必要となったが、制作開始時から一貫して本機会に関与してきた板谷教授(埼玉大学)からも指導を受けながら、調整を行った。得られたデータの中間解析を経て、微修正を加えながら研究を継続した。解析方法はハーバード大学と連絡を取り最適な回帰モデルの選択を行った。収集したデータの解析:心筋梗塞の発症予測モデル作成などの疾患予後予測モデル作成の経験が豊富なハーバ ード大学公衆衛生大学院クック教授の助言を得ながら収集したデータの解析を行えた。 2眼目発症予測モデル作成:上記で行った解析を踏まえ、最終的な予測モデルに用いる予測因子の選定を行い、各係数を決定した上で予測モデルを決定した。 因子数(変数)が最大のモデルと最小のモデルでの予測精度の違いを検証し、可能な限り少ない因子数による精度の高いモデルを決定した。データ解析ならびに予測モデルの作成では高度な統計学的検討では高度な疫学や統計学の知識が求められ困難もあったが、研究代表者の留学先でもあり同分野の世界的リーダーでもあるハーバード大学の公衆衛生大学院の疫学講座など複数の外部研究者の協力を得て研究を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
加齢黄斑変性や類似した病態とも考えられている近視性脈絡膜新生血管、毛細血管拡張症、網膜色素線条に伴う脈絡膜新生血管などに関する詳細の検討を行い、さらに病態観察を新開発の補償光学適応レーザー走査型顕微鏡や光干渉断層計、眼球追尾型網膜電図も用い丹念に行い検討を加えた。一方で、眼科治療のもたらすQOL改善効果と経済効率性の評価を行うことができた。 具体的には、最新のSS-OCTを用いてReticular Pseudodrusenを伴う加齢黄斑変性症例の脈絡膜厚の評価(Ueda-Arakawa N, AJO. 2014)や網膜感度の評価(Ooto S, AJO. 2013)などについて報告した。また、網膜色素線条症例での胎盤組織標本に関する考察(Tanioka M, JD. 2013)や脈絡膜厚の経時変化(Nakagawa S, Retina. 2013)などについて報告した上で、日本における弾性線維性仮性黄色腫の診断基準作成(厚生労働省宇谷班、日眼会誌及び日皮会誌. 2013)に深く関与した。 さらに、日本での白内障手術のQOL改善効果と経済効率性の評価(ECCERT, JJO. 2013)を報告した。
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今後の研究の推進方策 |
各症例への治療及び収集したデータの解析を進める。前年度から引き続き各症例への治療と各種診療データを集積する。心筋梗塞の発症予測モデル作成などの疾患予後予測モデル作成の経験が豊富なハーバード大学公衆衛生大学院クック教授の助言を得ながら収集したデータの解析を行う。 2眼目発症予測モデル作成を行う。上記で行った解析を踏まえ、最終的な予測モデルに用いる予測因子の選定を行い、各係数を決定した上で予測モデルを決定する。 因子数(変数)が最大のモデルと最小のモデルでの予測精度の違いを検証し、可能な限り少ない因子数による精度の高いモデルを決定する。 データ解析ならびに予測モデルの作成では高度な統計学的検討では高度な疫学や統計学の知識が求められ困難も予想されるが、研究代表者の留学先でもあり同分野の世界的リーダーでもあるハーバード大学の公衆衛生大学院の疫学講座とはクック教授をはじめとして、複数の研究者と関係が深く適切な助言が得られる予定である。
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