研究課題/領域番号 |
24592631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鈴間 潔 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80335265)
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研究分担者 |
築城 英子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30363493)
藤川 亜月茶 長崎大学, 大学病院, 講師 (60363503)
松本 牧子 長崎大学, 大学病院, 助教 (70437903)
北岡 隆 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80234235)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 糖尿病網膜症 / VEGF / インクレチン / exendin4 / 血管透過性 |
研究概要 |
糖尿病網膜症は成人の失明原因として主要な割合を占めており、その病態解明・治療法の確立が非常に重要な問題となっている。糖尿病網膜では毛細血管の障害・脱落により網膜無灌流領域が形成されることにより血管内皮増殖因子(VEGF)やエリスロポエチンといった様々な増殖因子が産生・放出され、血管透過性亢進による網膜浮腫(視力低下)や血管新生(緑内障、硝子体出血)により失明に至ると考えられている。最近血糖コントロールに使用されるようになったインクレチン製剤であるexendin4の網膜血管透過性への効果を検討したところVEGF依存性の透過性亢進をexendin4が有為に抑制した。このことは世界で初めての発見であり、血糖コントロールと糖尿病黄斑浮腫の両方を同時に治療できる薬剤の開発につながる可能性がある。Exendin4の作用メカニズムの検討もほぼ終了しており近いうちに論文投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
あたらしい血管安定化因子を発見した。
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今後の研究の推進方策 |
時間的人員的に研究が予定通りすすんでいない部分もあるが方向性としては問題ないと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度 網膜組織培養下での検討(鈴間、北岡、松本):in vivoより細胞環境を操作しやすい状況で研究を行う。 1.正常動物、糖尿病モデル動物から網膜組織培養法を用い高血糖、酸化ストレスを負荷、細胞レベルでの発現、シグナルにおける結果を確認する。 2.高酸素負荷による網膜無血管領域を作成し、血管の再生を誘導し高血糖、酸化ストレスの効果をZEISSコンフォーカルレーザー顕微鏡と蛍光タイムラプス撮影装置を用いリアルタイムで検討する。さらに血管再生局所にコハク酸、エリスロポエチン, Ang1, ephrinA1を過剰発現させて成熟した安定な血管網が形成されるかどうか確認する。 3. 再生された血管を維持できるメカニズムについて検討するため細胞死シグナルの活性化を抑制、細胞生存シグナルの活性化を促進するべくdominant-negative, RNAi, 特異的器質配列を持つペプチドのmicro-injectionなどの手技を用いて操作しsingle cellレベルの動態まで解析する。
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