研究課題
糖尿病網膜症は成人の失明原因として主要な割合を占めており、その病態解明・治療法の確立が非常に重要な問題となっている。糖尿病網膜では毛細血管の障害・脱落により網膜無灌流領域が形成されることにより血管内皮増殖因子(VEGF)やエリスロポエチンといった様々な増殖因子が産生・放出され、血管透過性亢進による網膜浮腫(視力低下)や血管新生(緑内障、硝子体出血)により失明に至ると考えられている。最近血糖コントロールに使用されるようになったインクレチン製剤であるexendin4の網膜血管透過性への効果を検討したところVEGF依存性の透過性亢進をexendin4が有為に抑制した。このことは世界で初めての発見であり、血糖コントロールと糖尿病黄斑浮腫の両方を同時に治療できる薬剤の開発につながる可能性がある。Exendin4の作用メカニズムの検討もほぼ終了しており近いうちに論文投稿を予定している。それ以外にiPS細胞からの網膜神経節細胞の再生に成功した。現在iPS細胞から再生した視細胞の網膜へに移植の研究も進行中である。
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