研究課題/領域番号 |
24592636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
森 和彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40252001)
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研究分担者 |
松田 彰 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00312348)
池田 陽子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (00433243)
田代 啓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10263097)
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
上野 盛夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40426531)
中野 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70381944)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 眼遺伝学 |
研究概要 |
ケースとコントロールのゲノムサンプルの収集とともに臨床情報の追加を行ない、検出力の増強を図った。広義原発開放隅角緑内障と正常健常者の診断は熟達した緑内障専門医が担当し、視野(FDT、ハンフリー静的視野)、眼底写真、視神経乳頭解析(HRT、GDx、OCT)、前眼部解析(ペンタカム、ビサンテ)等を施行するとともに、問診による背景因子の聴取を行なった。一方、正常コントロール例は、ボランティアとして参加して緑内障患者と同様のすべての検査を施行、複数の緑内障専門医による診察と判定の結果、緑内障の存在が否定された症例のうち、問診上の緑内障家族歴のあるものを除いたものを厳正に選別した。広義原発開放隅角緑内障患者ならびに正常コントロール例から採取され、匿名化された血液よりBioRobot EZ1(キアゲン社)を用いてゲノムDNAを抽出した。次いで抽出したすべてのゲノムDNAについてNanoDrop(Thermo Scientific社)を用いて収量を測定し、その結果をもとに260nm/280nm比を算出することでDNAの品質をチェックした。こうした品質チェックをクリアしたDNAのみを、ランダマイズした後にイルミナ社のシステムに供した。チップ実験のためのサンプル調整はすべてイルミナ社から提供されたマニュアルに沿って実施した。蛍光標識された断片化DNA試料をチップにハイブリダイゼーションした後に染色、洗浄し、チップをスキャンすることで画像ファイルを取得、最終的に専用ソフトウェアを用いて画像ファイルをジェノタイピングデータに変換し、カスタムチップに搭載された広義原発開放隅角緑内障関連遺伝子上ならびに近傍の600程度のSNPのジェノタイピング情報を取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画していた通りにケースとコントロールのゲノムサンプルを収集することができ、合わせて臨床情報も追加が可能であった。またカスタムチップ実験のためのゲノムDNA抽出、収量測定、品質チェック、ならびにジェノタイピングに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
取得したジェノタイピング生データを専用サーバに注入後、各SNPのジェノタイプの頻度計算を実施する。その後、、コールレートやマイナーアレル頻度の厳格なフィルター(QCフィルター)を設定し、高品質なデータを抽出する。抽出されたデータについて、ジェノタイプおよびアレル頻度に基づくカイ2乗検定によりp値を算出し、ケース群で有意なSNPを同定する。得られたSNPについて関連する遺伝子を割り出し、緑内障病型の判別ができている臨量サンプルを用いて発現解析を行う。なお病型としては、正常眼圧緑内障、狭義原発開放隅角緑内障、非緑内障に分類して考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
臨床情報のデータを解析可能なデジタル情報として入力ならびに解析を行なうためのハードウェアとソフトウェアの購入、ジェノタイピングデータの解析費用、ならびに臨床サンプルとしての前房水、水晶体前嚢からの蛋白量定量、RNA/DNA抽出実験に用いる。
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