研究分担者 |
松田 彰 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00312348)
池田 陽子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00433243)
田代 啓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10263097)
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
上野 盛夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40426531)
中野 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70381944)
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研究実績の概要 |
原発開放隅角緑内障(POAG)関連遺伝子の基礎的な解析と平行して、緑内障専門医により再現性検証実験のため各症例を継続的に診断及び収集して来たが、その過程で得られた詳細かつ膨大な匿名化済みの臨床検体情報を新たに独自のデータベースとして構築する事に成功した。これを用いて臨床検体情報を再検証した結果、H25年度までに実施した基礎解析でケースとして扱われていたPOAG症例において、初診時には正常眼圧緑内障(NTG)であったが高眼圧緑内障(HTG)へ移行した10例など、検体の真の病態を反映していると考えられる事例が多数確認された。これらを受けH25年度までに実施した解析結果を最新の知見を利用して改善し精度を高めるため、全面的な見直し作業を実施する事にした。この作業は初期の除外症例や同一検体のハイブリダイゼーションやり直し分も含めて1st Stage延べ1,097症例分、2nd Stage延べ1,007症例分の各DNAアレイのジェノタイプデータを対象としており、症例の判断基準の厳密さにより数種類の再解析を検討した。例えば、片眼もしくは両眼でNTG又はHTGのみを発症し他の併発は見られないという最も厳格な判断基準では1st Stageケース443例、コントロール515例、2nd Stageケース400例、コントロール385例となる。これらの検体を用いて厳選した609個のSNPについて相関解析を行うと、1st Stageでは新たに4個のSNPについてNTG又はHTGのアレル頻度でP<0.05の弱い相関が認められた。この内3個のSNPは従来とは異なるものであり、最新の臨床情報を用いた再検証作業で改善された事が示唆された。この結果を検証し多角的に補強するため、2nd Stageの検体も含めて2つのStageのDNAアレイに共通する3,000個以上のSNPを含めた大規模な再解析を改めて実施した。
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