研究概要 |
TRPV1,TRPA1 KOおよびWTマウスを吸入麻酔で鎮静し、角膜中央部をパクレンで焼灼し、角膜血管新生モデルを作成する。1,3,7,14および28日後に屠殺し、凍結切片を作成し、CD31免疫染色で新生血管の最長距離を測定して比較検討する。TRPチャネルのagonist やantagonistをマウスに投与し、同様に角膜新生血管モデルを用いた実験を行った。各種サイトカイン、各種細胞骨格蛋白質と細胞間接着分子(ケラチン、ビメンチン、α平滑筋アクチンと各種カドヘリンなど)の発現についても免疫組織化学的な比較検討等を行った。角膜組織のウェスタンブロット法を用いて各種サイトカイン、神経ペプチド(サブスタンスPやCGRP)、各種細胞骨格蛋白質と細胞間接着分子(ケラチン、ビメンチン、α平滑筋アクチンと各種カドヘリンなど)の発現を指標としてTRPV1,TRPA1の血管新生への関与を比較検討する。TRPV1,TRPA1 KOはWTに比べ角膜新生血管の伸展が抑制されており、TGFb1やVEGFなどの発現量も減少していた。 共培養系を用いた研修も行った。培地全体に生育した皮膚線維芽細胞上に正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)が点在しており、培養とともにHUVECが増殖遊走して管腔を形成する。TRPチャネル関連のantagonistやagonistを培地に添加して、培養を継続した。培養した新生血管を、CD31抗体で免疫染色し、形成された管腔長を測定する。非添加群と比較して間で管腔の形成が促進されているか検討した。また、VEGFやTGFβなどの各種サイトカインを同時に添加して、各々の相互作用についても確認中である。
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次年度の研究費の使用計画 |
TRPV1,TRPA1,TRPV4,TRPM2 KOおよびWTマウスを吸入麻酔で鎮静し、眼底に半導体レーザー(スポットサイズ100μm、照射時間0.20秒、出力100mV)で網膜光凝固を行い、脈絡膜血管新生モデルを作成する。14日後に屠殺し、心房からフルオレスセイン・デキストラン溶液を全身に還流して血管を染色後に眼球摘出する。光凝固斑に発生する新生血管を蛍光顕微鏡で観察し、発生した新生血管の面積を測定して比較検討する。上記と同様にTRPチャネルのagonist やantagonistをマウスに投与し、同様に脈絡膜新生血管モデルを用いた実験を行う。また、それぞれの実験で組織病理標本を作成し、ノックアウトマウス群と野生種群での血管新生の出現について、及び各種サイトカイン、神経ペプチド(サブスタンスPやCGRP)各種細胞骨格蛋白質と細胞間接着分子(ケラチン、ビメンチン、α平滑筋アクチンと各種カドヘリンなど)の発現について免疫組織化学的な比較検討等を行う。脈絡膜組織のウェスタンブロット法を用いて各種サイトカイン、各種細胞骨格蛋白質と細胞間接着分子(ケラチン、ビメンチン、α平滑筋アクチンと各種カドヘリンなど)の発現を指標としてTRPの血管新生への関与を検討する。上記因子のmRNAの発現状況については、RNA probeを用いた非放射性in situ hybridization法、脈絡膜組織RNAで、real-time RT-PCR法によって検討する。
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