研究概要 |
角膜の血管新生や、加齢黄斑変性症の中心病態である脈絡膜の血管新生は視力障害をきたし、治療困難な疾患である。 WTマウス及びTRPV1 KO, TRPA1 KOマウスに熱凝固し、角膜新生血管を誘発し、その伸展距離を測定し、比較検討した。WTに比べ、TRPV1 KOマウスは角膜新生血管に進展が抑制されていることがわかった。WTに比べTRPV1 KO角膜では、熱凝固後のTransforming growth factor β1, Vascular endothelial growth factorなどの発現が低下していることが確認できている。しかし、WTとTRPA1 KOの角膜新生血管の伸展には有為差はなかった。しかし、in vtroでの血管内皮細胞増殖はTRPA1を抑制することで、増殖が抑制されることを確認している。in vtroとin vivoでの血管新生に及ぼす違いや、TRPV1 KOとTRPA1 KOの角膜新生血管に対する違いとその作用に及ぼす因子について検討をすすめている。 同様にWTマウス及びTRPV1 KO, TRPA1 KOマウスに網膜光凝固を行い、脈絡膜新生血管を誘発するモデルについても検討を始めている。それぞれのマウスで誘発される新生血管のサイズや、その時に発現する炎症細胞や増殖因子、サイトカインの種類や発現部位、定量をすすめている。 同様の検討をTRPV4 KO, TRPM2 KOマウスでも行う予定である。
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