研究課題/領域番号 |
24592639
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
金子 宗義 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (80438499)
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研究分担者 |
町田 繁樹 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (30285613)
大関 尚行 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70453298)
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キーワード | 多局所網膜電図 / PhNR / N2応答密度 / 緑内障 |
研究概要 |
研究に用いている多局所網膜電図(mfERG)記録装置は広く普及しているが、その初期設定の記録条件で得られる網膜の応答を示す波形は、全視野刺激網膜電図(ERG)や、高価なために普及していない局所網膜電図(fERG)で得られる波形とは異なる。本研究では、mfERG記録装置の記録条件を変えるという工夫でfERG、ERGで得られる波形と同様の波形を得ることが可能であることを証明し、更に緑内障の早期発見への応用を目的としている。2012年5月6日~9日に米国フロリダ州フォート・ローダーデ―ルで開催された国際学会:ARVO(The Association for Research in Vision and Ophthalmology:視覚と眼科学研究協会会議)では、視神経炎症例について、mfERG記録装置の記録条件を変えるという工夫でfERG、ERGで得られる波形と同様の波形を得ることが可能であることを発表した。 2013年5月5日~9日に米国ワシントン州シアトルで開催されたARVOでは、緑内障症例からmfERGを記録しN2応答密度が減弱することを発表した。緑内障症例ではfERGやERGのPhNRが減弱するので、N2応答密度がPhNRに相当することを示した。この報告内容についてまとめた英文論文が2014年4月に受理された。 2013年のARVOでの発表、2014年に受理された英文論文では、中心網膜を5つの部位に分けてそれぞれの網膜部位からの網膜応答を記録したが、2014年5月4日~8日に米国フロリダ州オーランドで開催されたARVOでは、中心網膜を7つの部位に分けて緑内障症例から記録した結果を発表した。記録する網膜をより多くの部位に分けて記録することで、網膜機能障害の状態についてより詳細な情報を得る可能性があることを示し、緑内障の早期発見に有用である可能性が高いことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の点眼上記自己点検による評価の理由である。 ①視神経炎症例に関する2012年5月の国際学会発表に引き続き、2013年5月の国際学会発表では緑内障症例においてmfERGのN2応答密度が減弱することを報告し、緑内障の早期発見に有用であることを報告することが出来た。 ②2013年5月の国際学会発表の内容について英文論文を作成し、2014年4月に受理された。 ③2014年5月の国際学会では2013年5月の国際学会発表および2014年4月に受理された英文論文におけるmfERG記録方法を発展させて、記録する網膜をより多くの部位に分けて記録することで、網膜機能障害の状態についてより詳細な情報を得る可能性があることを示し、緑内障の早期発見に有用である可能性が高いことを示した。
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今後の研究の推進方策 |
2012年と2014年の国際学会で発表報告した内容(視神経症例に関する報告および緑内障症例から網膜の7つの部位から記録した結果)についてそれぞれ英文論文にして投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでに得られた研究成果を学会発表および英文論文として報告するための費用として必要となる。 学会発表、および英文論文作成のための費用として使用する。
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