多局所網膜電図による緑内障眼検出法に結びつく研究成果として、国際学会誌に論文を掲載し(Curr Eye Res. 2015 Jan;40(1):77-86. Epub 2014 May 15. Alterations of photopic negative response of multifocal electroretinogram in patients with glaucoma.)、国際学会: ARVO(The Association for Research in Vision and Ophthalmology)Annual Meeting で緑内障眼検出のための多局所網膜電図のさらなる可能性を示唆する発表をした。現在、臨床現場で行われている緑内障検査のなかで、眼球機能の緑内障性変化を捉える検査法は、視野検査を代表とする自覚的検査法(被検者がボタンを押して反応することで検査結果を得るなど、検査結果が被検者の反応に依存する検査法)のみであり、眼球機能の緑内障性変化を捉える多覚的検査法(被検者の反応に依存しない検査法)はない。高齢者や認知症、精神発達遅滞、子どもなどは自覚的検査の結果の信頼性が低い場合がよくみられるが、他覚的検査法が確立されれば、被検者がボタンを押すなどの反応に検査結果が依存しないので、どんな被検者であっても信頼性のある検査結果を得ることが可能となり、治療方針決定のための重要な情報源となると考えられる。上述の論文と学会発表内容は緑内障機能を評価する他覚的検査法の提案となる内容である。
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