研究課題/領域番号 |
24592641
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
森 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (90251090)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 個別化医療 / 生活環境因子 / 遺伝子多型 / 一塩基多型 / 発症リスク |
研究概要 |
平成24年度に実施した研究成果は大きく分けて、サンプル収集と候補遺伝子のリストアップに分けられる。 1) サンプル収集 埼玉医科大学倫理委員会の承認の下、文書にて同意を得られたAMD罹患者および非罹患者より採血を行い、ゲノムDNA精製を行った。これに加え、生活環境因子(年齢、性別、身長・体重 (BMI)、喫煙歴 (pack/year)、心疾患、糖尿病、高血圧等)の聴取も行った。結果、累計1294サンプル(平成25年2月13日現在)の収集が終了した。 2)候補遺伝子のリストアップと遺伝子解析 ゲノムデータベース情報(Database of Genomic Variants、dbGaPデータベースの米国Age-Related Eye Disease StudyなどのAMDのGWAS情報)および申請者グループが独自に行ってきたGWASデータ(「加齢黄斑変性症の発症リスクの予測方法」特願2007-194922)を活用し、AMD関連SNPのうち特に疾患感受性の高い遺伝子を選出する。これに加え、ソウル大学医学部のソ・ジョンソン教授グループによる東アジア人遺伝子コピー数多型データ [Park et al., Nat Genet, 2010] などのCopy number variation (CNV)データベースをもとに、AMD関連SNP近傍の候補CNV領域を選定し、AMD罹患性との相関性の高い遺伝子をリストアップした。これらの遺伝子について、現時点までに得られているサンプルについてSNP解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記載された平成24年度分の内容については、実際に完了しているので、おおむね達成されているものと判断する。強いて言うならば、サンプル数の到達最終目標は、1,500-2,000であるため、現時点のサンプル数1294は、最終年度で1,500を超えるためには、若干期待値よりも少な目になっている。Caseに関するサンプル数は限りがあるため、特に正常コントロールを主体にサンプル数を増やす必要があるかもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの達成度の項で記載した通り、全体のサンプル数、特に正常コントロールについて増やすことが、今後の研修の推進方策として特に留意しなくてはならない点である。このため、正常篤志者への協力の呼びかけの強化が必要である。 平成25年度では、24年度に引き続きサンプル収集とDNA解析を行う。上記の目標のためには、最低250サンプルの収集を目標としたい。サンプル収集が目標数に達した時点で、臨床データを併せて統計学的な解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度と同様に、DNA抽出用試薬および遺伝子解析用PCRの試薬は継続して必須である。これにおおよそ20万円を使用する予定である。また、データ解析として、コンピュータおよび関連ソフトの購入が必要となり、これに対して20万の支出を見込んでいる。加えて、サンプル収集を強化するため、正常篤志者への呼びかけや遺伝子解析に関する実験助手への人件費について50万円を見込んでおり、合計おおよそ90万円を使用予定である。
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