研究課題/領域番号 |
24592643
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
綾木 雅彦 慶應義塾大学, 医学部, 特任准教授 (00167967)
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研究分担者 |
根岸 一乃 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10228281)
服部 淳彦 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (70183910)
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キーワード | 白内障 / 生活の質 |
研究概要 |
研究代表者は、初年度に続き高齢白内障患者を対象として、健康指標として重要である歩行速度と睡眠の質を術前術後に測定して検討した。方法は、黄色に着色された眼内レンズ(アルコン社SN60WF、UVブロック、黄色、シングルピース、ソフトアクリル)を挿入した白内障患者連続症例155名(平均年齢74歳)の歩行速度、視覚機能に関連した生活の質の質問票NEI-VFQ25、ピッツバーグ睡眠質問票(以下PSQI)を白内障眼内レンズ挿入術の術前と術後2か月、7か月に測定ならびに調査し、学術論文を発表した(Ayaki, Muramatsu, Negishi, Tsubota.Improvements in gait speed and sleep quality after cataract surgery. Rejuvenation Research 2014)。その中で、白内障手術後、生活の質が改善するのみならず、睡眠が改善し、歩行速度が増加することを示した。さらに、他の大規模疫学調査の結果から歩行速度が余命と強く関連していることに着目し、白内障手術後の歩行速度の増加が男性で約1.5年、女性で1.0年の余命の延長に相当すると試算し日本眼科手術学会で発表し論文掲載待ちである。 その他、平成25年度からは着色のない異なる眼内レンズを挿入した白内障手術症例について検討を始めている。また、白内障手術患者の運動機能の改善に関する検証実験として、視覚障害の模擬患者に対して3次元動作解析装置(クオリシス社クオリシス)を使用して歩行と立位バランスを測定する実験を開始した。視覚障害は専用のゴーグルを使用して、0.01、眼前手動弁、視野3度の状態にする。平成26年度に結果をまとめて学会や論文発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文発表、学会発表まで到達できている。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集、解析ともに順調に進んでいるので、引き続き論文作成、動作解析を推進して研究内容のさらなる発展をめざす。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集と解析が順調に進み、出費が抑えられた。 論文編集、学会発表と動作解析を行う。
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