研究課題/領域番号 |
24592643
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
綾木 雅彦 慶應義塾大学, 医学部, 特任准教授 (00167967)
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研究分担者 |
根岸 一乃 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10228281)
服部 淳彦 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (70183910)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 医療福祉 / 生活の質 / 眼科学 / 整形外科学 / ブルーライト |
研究実績の概要 |
研究代表者は、高齢白内障患者を対象として健康指標として重要である歩行速度と睡眠の質を術前術後測定し、2年間の研究結果の分析を進めた。方法は、黄色に着色された眼内レンズと無着色のレンズを挿入した白内障患者連続症例の4メートルの歩行速度、視覚機能に関連した生活の質の質問票NEI-VFQ25、ピッツバーグ睡眠質問票(以下PSQI)を白内障眼内レンズ挿入術の術前と術後2か月、7か月に測定ならびに調査し、新たに2編の学術論文を英文で発表した(Increased gait speed after cataract surgery confers longer expected survival. Asia Pac. J. Ophthalmol. 2014;Rejuvenation effects of cataract surgery with UV blocking intra-ocular lens on circadian rhythm and gait speed. Rejuvenation Res. 2014.)。新しい知見としては、第一の論文では、白内障手術後、歩行速度が増加することは寿命が延びることを意味することを示した。大規模疫学研究から、歩行速度と年齢から余命を算出する推計値がしめされており、白内障手術患者の年齢と術前術後の歩行速度から試算し、男性で約1.5年、女性で1.0年の余命の延長に相当すると報告した。第二の論文では、現在使用されている2種類の眼内レンズについて、術眼の状態と健康指標を詳細に分析し比較した結果、無色レンズには睡眠改善効果が大きいことを報告した。 その他、白内障手術患者の運動機能の改善に関する検証実験として、視覚障害の模擬患者に対して3次元動作解析装置を使用した実験を行い、中間報告を米国眼科アカデミーで発表した。その中で、視覚機能だけを減弱した健常者において視覚機能に応じて運動機能が低下し、白内障患者の運動機能改善は視覚機能改善によるものであることを裏付ける結果を得た。今後も学会や論文発表を行う予定である。
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