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2012 年度 実施状況報告書

運転者、とくに高齢運転者の安全に関わる視覚機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24592645
研究種目

基盤研究(C)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

根岸 一乃  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10228281)

研究分担者 三村 將  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00190728)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード社会医学 / 交通事故 / 臨床
研究概要

平成24年度には(1) 各種視力検査と、自動車事故発生に関わるグレア障害および有効視野との関連の検討(2)眼周辺環境が視機能(とくに実用視力)に及ぼす影響のうち、短波長カットフィルターが視機能検査結果に及ぼす影響について検討した。対象は60歳以上で普通免許を有しており、通常の生活で自動車の運転をする方とした。被験者の平均年齢は67.0歳であった。(1)の結果として、実用視力検査のパラメータである視力維持率と有効視野(今回はV-FITという方法を採用)で相関がみられることがわかった(P <0.05)。過去の研究で有効視野検査は運転能力と関係することがすでにわかっているが、検査時間が比較的長い。実用視力が検査時間が1分間であり、より短時間で検査できることが利点であり、今回の結果から実用視力検査も運転能力を図るより簡便なパラメータとなりえることが示唆された。この点については、検査条件や環境をかえてさらに検討していきたい。(2)については、将来的に短波長カットフィルターが高齢運転者の運転補助装置(または装具)として有効かどうか探索するための基礎データを取得するために行った。具体的には、グレア障害を減少させる短波長カットフィルター装着の有無により、有効視野検査結果が変化するかどうかを検討したところ、フィルターの装着により有効視野検査の正答率は有意に上昇し、反応時間は有意に減少することがわかった(いずれもP<0.05)。以上から、短波長カットフィルターの装着は高齢運転者の安全性を向上させる可能性があると考えられた。引き続き周辺湿度が運転に与える影響についても調べる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度には以下の3項目、(1) 各種視力検査と、自動車事故発生に関わるグレア障害および有効視野との関連の検討(2)眼周辺環境が視機能(とくに実用視力)に及ぼす影響の検討(3)ドライビングシュミレータを用いた運転者の安全に関わるパラメータと各種視機能検査(実用視力含む)との関連の検討、を行う予定で、現状においては(2)までを終了している。予定よりはやや遅延し、年度内予定の達成度は75%程度である。しかしながら、被験者ボランティアの募集等は軌道にのってきているため、今後の研究期間において、その遅れは取り戻せると考えている。

今後の研究の推進方策

研究実績に示したように、実用視力と有効視野が関連し、短波長カットフィルターの効果も明らかになっており、当初の仮説どおりの結果が得られている。これを踏まえ、今後も計画通り研究を進めていく予定である。本年度以降は、残りの基礎データ習得後、基礎データを元に、(3)ドライビングシュミレータを用いた運転者の安全に関わるパラメータと各種視機能検査(実用視力含む)との関連の検討、(4)ドライビングシュミレータを用いた眼周辺環境改善による運転者の安全に関わるパラメータ改善の有無の検討を開始する予定である。

次年度の研究費の使用計画

予定より計画がおくれているため、研究費もそれと呼応して予算額を下回った。研究の遅れにより、関連学会への出張もなかった。現在得られているデータは、当初の仮説通りであるため、今のところ研究計画変更の予定はなく、遅れている分も含めた被験者ボランティアへの謝金、資料整理等の人件費、学会旅費、論文(英文)校正料等に使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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