研究課題/領域番号 |
24592645
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
根岸 一乃 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10228281)
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研究分担者 |
三村 將 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00190728)
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キーワード | 高齢者 / 運転 / 安全 / 視機能 / 湿度 / ドライアイ |
研究概要 |
平成25年度には1,検査室内湿度変化が実用視力に及ぼす影響および 2,検査室内湿度変化がドライビングシュミレータのパラメータに及ぼす影響について検討した。 対象は60歳以上で普通免許を有しており、通常の生活で自動車の運転をする15名とした。被験者の平均年齢は66.8歳あった。15名中5名がドライアイの診断基準を満たしていた。1,の結果として、実用視力検査のパラメータは、湿潤環境においてはドライアイ群(5名)非ドライアイ群(10名)でいずれも有意差がなかったが、乾燥環境においては、パラメータの一つである最高視力がドライアイ群において有意に低かった(P<0.05)。 2,については、ドライビングシミュレータの評価項目のうち、単純反応検査において乾燥環境では「反応速度」と「のんびり傾向」が有意に増加(いずれもP<0.05)しており、同一者において乾燥環境の方が運転適性が低くなっていた。さらに、15名をドライアイ群(5名)と非ドライアイ群(10名)に分けて検討したところ、非ドライアイ群においては湿潤環境と乾燥環境ですべての評価項目で有意差がなかったが、ドライアイ群では単純反応検査において乾燥環境では「反応速度」と「のんびり傾向」が有意に増加(いずれもP<0.05)した。また、乾燥環境、湿潤環境の双方においてドライアイ群では、ハンドル操作の「状況対応の速さ」が有意に低く、ドライアイ群の方が運転適性が低いことが示された。 以上から、検査室内湿度が低下すると運転適性が悪化し、安全のためには検査室内湿度が低下しないようにコントロールすることが重要であることが示唆された。また、ドライアイ患者は非ドライアイの人に比べて運転適性が低いことが示唆された。引き続き対象者の年齢等を拡大して周辺湿度が運転に与える影響についても調べる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度にはドライビングシュミレータを用いた眼周辺環境改善による運転者の安全に関わるパラメータの変化について検討できた。ほぼ予定通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度にはドライビングシュミレータを用いた眼周辺環境改善による運転者の安全に関わるパラメータの変化について検討できた。今後例数を増やしてデータの信頼性を確保する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
未使用額の発生は、効率的な物品調達を行った結果である。 翌年度の研究員人件費、消耗品購入に充てる予定である。
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