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2013 年度 実施状況報告書

角膜輪部ニッチ様細胞と接する角膜輪部上皮タイニーセルの解析

研究課題

研究課題/領域番号 24592646
研究機関東京歯科大学

研究代表者

比嘉 一成  東京歯科大学, 歯学部, 助教 (60398782)

キーワード角膜上皮幹細胞
研究概要

Tiny cellsの維持培養法を確立するためには、分化を抑制することが必要である。また、Tiny cellsを培養するためにはその周辺部の構造を維持した状態で組織から回収する必要がある。そこで本年度はTiny cellsを含んだ上皮だけでなく、その直下に存在すると考えられるニッチ細胞も一緒に回収できる様に酵素処理をおこなって、Tiny cellsの周辺で重要な細胞外マトリックスとして基底膜成分が豊富なマトリゲルを使って培養を試みた。
基底膜成分を多く含んだマトリゲル上において、Tiny cellsだけでなくその直下に存在するニッチ細胞も回収できるコラゲナーゼ処理では従来のディスパーゼ処理よりも均一で球状のスフィロイドを形成することが解って来た。さらに、通常のEGF添加培地に比べて角膜輪部フェノタイプ維持培地(KGF+Rock Inhibitor)で培養すると上皮の伸展もなく一ヶ月以上スフィロイドを形成したまま、培養できることが解って来た。一つの輪部組織からはおおよそ100個以上のスフィロイドを作成できることが解って来た。このスフィロイドの組織を見てみると、角膜輪部上皮基底層で発現が認められるケラチン15、p63の発現を維持していることが解って来た。低酸素条件下でのこのスフィロイドの培養は現在検討中である。また、このスフィロイド1個から培養上皮シートの作成を試みたところ、重層化した従来の上皮シートと同様の培養上皮シートを作成することができた。
今後はさらにスフィロイドにおけるTiny cellsの解析を行なって、低酸素培養などより分化を抑制する培養環境を確立を目指す。さらに、長期培養条件等も検討し、ドナー角膜に依存しない培養上皮シートの作成についても検討して行く予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スフィロイドにおけるN-カドヘリンの発現については現在検討中ではあるが、未分化性を維持した培養法は確立しつつある。また、低酸素等のより分化抑制を行なった培養条件で更なる長期培養法の確立を検討しているが、培養1ヶ月以上たっても1個のスフィロイドから培養上皮シートを作成することができた。
このことによって、従来の培養方法よりも数十倍の効率で培養上皮シートを作成できることが解って来たことは大きな進歩である。

今後の研究の推進方策

本年度に引き続き26年度においてもTiny cellsの解析を行うとともに、Tiny cells が角膜上皮の幹細胞/前駆細胞として相応しいか判断する。また、Tiny cells を長期にわたり培養するためには、Tiny cells の分化を抑制することが必要である。そこで、25年度に行なったスフィロイド培養を行なうことで、長期培養法の確立を目指し、培養条件の検討を行なう。また、1個のスフィロイドからシートを作成し、これまでのシートと同様の物であるかについても解析を行なう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Matrigelで形成した角膜輪部由来spheroidの解析2014

    • 著者名/発表者名
      比嘉一成、宮下英之、島崎潤、坪田一男、榛村重人
    • 学会等名
      角膜カンファランス2014
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      20140130-20140201

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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