研究課題/領域番号 |
24592654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤巻 拓郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50333042)
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研究分担者 |
村上 晶 順天堂大学, 医学部, 教授 (90157743)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換、インドネシア / 国際情報交換、ベルギー |
研究概要 |
我々は眼科稀少疾患患者の迅速正確な遺伝子解析システムの構築により、原因究明と治療可能な患者を見出すことを目指している。 重症型の常染色体劣性網膜色素変性(autosomal recessive retinitis pigmentosa: ARRP)およびLeber先天盲(Leber congenital amaurosis: LCA)の計105例についてGeneChipを用いた、RPE65、AIPL1、CEP290、CRB1、GUCY2D、LCA5、RDH12、RPGRIP1、TULP1、EYS、PDE6A、PDE6Bの解析が終了し、うち計60例はCABP4、IQCB1、KCNJ13、LRAT、NMNAT1、RD3、SPATA7、ABCA4、ADAM9、CNGA1、CNGA3、CNGB1、CNGB3、DHDDS、FAM161A、IMPG2、MERTK、PDE6C、PDE6G、PRCD、RLBP1の解析も終了した。異常が検出されない4例はIon AmpliSeq Inherited Disease Panelでの遺伝子解析も試みた。現在までに105例中12例に病因となり得る変異を検出した。 上記の他、臨床所見から家族性滲出性硝子体網膜症(Familial exudative vitreoretinopathy : FEVR) が疑われた9家系22名と、Norrie病が疑われた1家系3名に対しFZD4、NDP、LRP5 、TSAPN12、SOX17、ZNF408の遺伝子解析を行った。直接塩基配列決定法にて解析後、変異の確認できなかった家系についてligation dependent probe amplification法(MLPA法)も施行した。結果FEVRの1家系2名にFZD4の変異、Norrie病の1家系2名にNDPエクソン2を含む欠失を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の平成24年度の計画および、その達成度(括弧内)を各項目毎に示す・遺伝子配列の抽出作業により、標準配列データを作成(完了)。・1988年からの網膜色素変性患者で、劣性遺伝型式、早期発症、孤発例の試料を解析する(新たなアレイを作成したため劣性遺伝型式と早期発症は160%完了。孤発例は未解析)。・網膜色素変性についてはGeneChipアレイにて未解析の試料の塩基配列決定を完結させる(新たなアレイを作成したため160%完了)・未解析データをコンピュータ上で標準配列との差を検索(100%完了)・変異が検出されない場合はMLPA(Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification)法、Array CGH(Comparative Genomic Hybridization)法、等を用いてコピー数解析を行なう(家族性滲出性硝子体網膜症は100%完了。網膜色素変性は未施行)。・上記で変異が検出されない場合は、イルミナTruSeqエクソームにてマルチプレックスPCRを施行。PCR産物を、新たにHiSeq2000にてエクソーム塩基配列決定しデータ化(新たに開発されたIon AmpliSeq Inherited Disease Panelにて4名のみ施行。コスト面から残る89例に施行するかは検討中。1例についてはエクソーム塩基配列決定を検討中)。・コンピュータ上で標準配列との差を検索(100%解析済み)。・順天堂大学眼科遺伝診療部門検討会にて進行状況、解析結果を討議(2ヶ月に一度開催されている)。
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今後の研究の推進方策 |
劣性遺伝型式、早期発症に関してはGeneChipアレイ2種類33種の遺伝子解析は研究期間内に完了可能である。しかし、変異が検出できなかった症例について、更にその他の遺伝子解析を進めることは、交付額の範囲を超えるため、本研究終了後に新たな申請が必要。
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次年度の研究費の使用計画 |
【平成25年度以降の計画】・新たな患者にも説明と同意の下、協力が得られれば解析を行なう。・新規の塩基配列決定法があれば、利用できるか検討する。・順天堂大学眼科遺伝診療部門検討会にて進行状況、解析結果を討議。・予期しない遺伝子変異が多数検出されてくる場合は共同研究機関に依頼し追試を依頼。・順天堂大学眼科遺伝診療部門検討会にて討議の上、必要に応じて患者や家族に結果の開示と、必要な場合はカウンセリングを行なう。・研究成果を学会ならびに論文にて公表する。
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