研究課題/領域番号 |
24592658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
藤本 千明 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (70623924)
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研究分担者 |
高橋 浩 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00188046)
五十嵐 勉 日本医科大学, 医学部, 講師 (10421190)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ドライアイ / 高浸透圧 / サイトカイン / 角膜上皮細胞 / 眼表面 / TLR / 結膜上皮細胞 / Th17 |
研究概要 |
ヒト培養角膜上皮細胞(HCEC)の培養を開始し、継代した。浸透圧測定器を用いて、正常な培養液の浸透圧を測定したところ、280mOsmであった。次に、NaCl又はSucroseを加えて浸透圧調整を行い、400~700mOsmの高浸透圧培養液を作成した。各高浸透圧培養液でHCECを一定時間培養した後、上清を回収し、炎症性サイトカインをELISA法にて調べた。 その結果、高浸透圧培養液を加えると、HCECからのIL-6の産生が有意に増加することが分かった。TGF-β, IL-1bについては結果にバラつきがあった。また、トリパンブルー法にて、細胞のアポトーシスを調べたところ、700mOsmにおいても短時間の高浸透圧暴露では、細胞死は起こらないことが確認された。 さらに、眼表面に常在する細菌などの微生物がドライアイにもたらす影響について検討を行った。9つのToll Like Receptor(TLR)ライガンドを購入し、HCEC培養液に付加した。その結果、特にウィルスの断片(PolyIC)を付加したときに、IL-6が有意に増加することが分かった。 また、ヒト結膜上皮細胞の培養を開始し、継代した。結膜上皮細胞については、培地中に既にIL-6が存在することが確認され、高浸透圧によるIL-6の上昇は確認できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた通り、角膜上皮細胞・結膜上皮細胞の培養と、高浸透圧培地作成、及びそれを用いた炎症を調べる系が確立したため。また、角膜上皮細胞の高浸透圧暴露でIL-6の上昇が認めれたため。
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今後の研究の推進方策 |
HCECの高浸透圧培養液の暴露時間とIL-6の産生について、確認実験をする。IL-1など他の炎症性サイトカインについても調べる。また、マウスのリンパ球を用いて、HCECの高浸透圧培養液で得られた炎症性サイトカインを付加して、Th17細胞に分化するかどうかの実験を行う予定である。 さらに、HCEC及び結膜上皮細胞を用いて、高浸透圧下でTLRライガンドに対する反応を調べ、炎症抑制に関連する因子についても解析していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
高浸透圧暴露によって得られたHCECの上清を付加することにより、マウスのリンパ球がTh17細胞に分化するかどうか検討する予定である。 また、ドライアイと炎症について、in vitroのこれまでのデータをまとめるため、追加実験に必要な、HCECやヒト結膜上皮細胞、培養液、TLRライガンド、ELISAキットなどを購入する予定である。
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