研究課題/領域番号 |
24592659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 洋 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60260840)
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研究分担者 |
初坂 奈津子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (50505352)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | UVインデックス / UVA-B / UVB / 眼部紫外線被曝 / 眼部UVインデックス |
研究概要 |
UVインデックスと眼部紫外線被曝の関係を検討するため、波長別(UVA-B領域、UVB領域)センサを使用した東洋人(成人)マネキンでの測定を行った。夏至である6月と秋分日である9月に金沢医科大学屋上において、日の出から日没まで1時間ごとに、45度間隔でマネキンを360度回転させ、8方向の被曝量を測定した。8方向の被曝量から日常生活における平均眼部紫外線被曝量を推定でき、またUVBセンサ(頭頂部)の測定値とUVインデックスの相関は高く、頭頂部の値と比較することで眼部UVインデックスを検討できる。UVインデックスが高い正午では、眼部UVインデックスも同値となるが、UVインデックスが低い朝方や夕方では、眼部UVインデックスの方が高くなる傾向を示した。 今まで快晴時の測定が中心であったが、6月には曇り時の測定を行い快晴時との比較を行った。結果は快晴時に比べ、朝方と夕方の眼部UVインデックスが雲の影響により低値になり、正午では快晴時とほぼ同値になることが明らかとなった。また、7月には河北潟周辺で水面反射の影響を検討し、屋上のウレタン加工に比べ眼部UVインデックスが高くなる傾向を示した。このように既存の東洋人(成人)マネキンを用いて異なる環境下での測定を行い、眼部紫外線被曝の違いについて細かな検討を行った。 新マネキンである東洋人(小児)作成のため、6歳~7歳の女性の眼部形状について調査を行った。人間生活工学研究センターのデータでは、顔の長さが成人女性(40歳)の219mmに比べ201mmと小さく、頭幅が大人151mmに対し145mmと少しだけ小さくなる。このような細部のデータを検討し、6歳女児の顔に近いマネキン選定を行い、作成を開始した。また、西洋人(成人)については顔面骨格の違いがでるように、頭幅は東洋人より小さく、眼球の位置が奥にあり鼻が高いマネキンを選定し作成を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既存の東洋人成人型マネキンを使用し、快晴時やくもり時、その他異なる環境下での測定を行いUVインデックスと眼部紫外線被曝量の関係を検討した。またUVBセンサの結果から、眼部UVインデックスの作成を行い、UVインデックスとの違いを検討し、学会発表等で報告した。 新たに東洋人(小児)のUVA-B測定装置、UVB測定装置を作成するため、小児女性(6歳〜7歳)の顔形状について調査を行い、顔の長さ、頭頂瞳孔高、頭長、鼻深、頭幅、耳珠間幅、瞳孔間距離、頭囲などの細部にわたり形状を把握した。その形状に近いマネキンの選定には少し時間を要し、国内で販売されている子供用マネキンを1つ1つチェックし、一番形状の一致しているものを選定した。現在UVA-Bセンサ、UVBセンサの取付け開始を行い、作成中である。 西洋人(成人)の装置に関しては顔面骨格形状の違いを比較するため、より西洋人の顔形状に近いマネキンの選定を行った。海外より西洋人成人女性のマネキンを取り寄せ、東洋人成人に比べ顔の長さや頭幅が小さく、眼球位置が奥にあるものとした。東洋人(小児)マネキンと同様にUVセンサの取り付けを開始したが現在は完了し、センサの校正チェックを行っている。UVセンサ作成会社(アラガン)の経営者交代があり、発注後も長期に渡りセンサ作成作業が開始されず、今年度予定していた小児および西洋人マネキンUVセンサでの実験を行うことができなかった。届き次第、測定を開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
東洋人(小児)、西洋人(成人)マネキンが届き次第、UV測定を開始し平成25年度内に平成24年度に施行予定であった小児および西洋人マネキンでの比較を行う。既存の東洋人(成人)マネキンも同時に測定し、3者の顔形状の違いによる眼部被曝の差異を明らかにする。 金沢医科大学屋上において、快晴時の眼部UV被曝の日内変動を測定し、東洋人成人・小児、西洋人成人のUVインデックスと眼部UVインデックスの関係について検討を行う。 平成25年度は、上記に加え眼鏡のレンズ径、テンプルの幅、枠の素材、枠の形状と色などの違いを検討するため、異なる眼鏡を作成し、3種のマネキンについて各種眼鏡装用下での眼部UV被曝量を測定する。顔形状別に眼部被曝対策として最も有効な眼鏡形状を明らかにする。 上記測定結果から最も有効であると考えられた眼鏡を装用し、太陽高度やUVインデックス別での眼部UVインデックスの関係を明らかにし、眼鏡装用の必要性を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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