新マネキン西洋人(成人)と東洋人(成人)での計測を行った。西洋人マネキンの眼の彫の深さは10mmであり、東洋人マネキンの5mmに比べ倍も深くなっている。そのため西洋人の眼部被ばく量は東洋人に比べ低く、より眼部を保護し直射UVをカットしている事がわかった。西洋人に対する東洋人のUV被ばく率は、UVインデックス(UVI)が3では約1.2倍、UVIが5では約2.5倍と大きくなることが示された。サングラスや眼鏡などのアイテム使用時の眼部被ばく量も東洋人の方が多く、特に細いテンプルの眼鏡を使用した場合が多かった。非装用時に対する被ばく率も西洋人は少なく、顔形状の特徴によりサングラス等のアイテムの有効性が高いことが明らかとなり、顔面骨格形状の違いがアイテムのUVカット効果にも影響する可能性が示唆された。いずれのUVI、両人種においても細いテンプルの眼鏡での被ばく量が大きく、テンプルの太い眼鏡はテンプルの細いサングラスとほぼ同等の効果があった。 新マネキン東洋人(小児)と東洋人(成人)での計測を行った。小児マネキンは成人マネキンに比べ輪郭が丸く、頭幅が小さく、鼻深は成人マネキンの15mmに比べ10mmと低くなっている。小さな顔面骨格では眼鏡をかけた場合の眼部被ばく量が成人に比べて少なく、眼鏡の効果が大きいことが示された。高反射(約2.5倍)のアルミシート上ではUV被ばく量も増加するが、成人マネキンの場合、細いテンプルの眼鏡では3分の1程度、太いテンプルの眼鏡では5分の1程度までカットできた。小児マネキンでは両テンプルの眼鏡で約10分の1までカットできることが示された。高反射状況では下からの反射を抑える事が出来ない帽子ではあまり効果がでないことも明らかとなり、特に散乱が大きいUV-Bではその影響が大きいと考えられる。今回の結果から、小児の眼部UV被ばく予防には眼鏡の使用が非常に効果がある可能性が示され、これらは啓発にもつながると考えている。
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