研究課題
基盤研究(C)
平成24年度(初年度)は、静岡県の学校等を対象にアデノウイルス検査を実施した。その結果、眼科および小児科で迅速診断においてアデノウイルスが陽性となった検体のキット残液124名分(眼科24名、小児科100名)を集めることが出来た。病原体検査の結果、次の5つのことが示された。1) 眼科で新型候補株の56型、新型の53型が検出されていること。2) EKCで重症化しやすい8型が小児科でも眼科でも検出されたこと。3) 4型の流行が小児科でも眼科でもとらえることが出来たこと。5) 検出された3型は全国で流行していた3aaタイプであったこと。結果は、校医および園医を通じて学校および保育園に報告された。また、千葉県(静岡以外も適宜実施した)においてこれまで報告されたことがない新しい組換え型アデノウイルスを検出した。初年度のため、ヘキソンおよびファイバー用のPCRの評価・改良を実施し検査法の確立に注力した。その内容に関して、感染症学会で報告した。これらの結果は論文報告する予定である。
2: おおむね順調に進展している
初年度であるので、検査システムの評価・改良が重要であったが、高感度で簡便な系を作ることが出来た。新型アデノウイルスの流行や、新しいタイプのアデノウイルスを検出・同定することが出来た。本研究は概ね順調に進んでいる。
平成24年度は、比較的アデノウイルス性感染症の流行が少なかった。しかし、近年マレーシア、中国、韓国等において重症化しやすいアデノウイルス7型のアウトブレークが報告されている。今後も症候群サーベイランスと病原体検査を結びつけて7型の流行があった場合も早期に探知して性状を調べる。また、新型アデノウイルスのうち53、54および56型が全国的に流行して流行性角結膜炎を引き起こしているので、その流行状況を早期に把握する。さらに近年に新型に取って代わられたかと思われた8型の流行状況や、これまで報告が無かった新型アデノウイルスについて引き続き検出を試みる。
研究計画に沿って、本研究のための消耗品等に適正に使用する。今のところ、特段の当初計画の変更は考えていない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
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