研究課題
本研究は、アデノウイルス性結膜炎の早期探知と病原体診断による流行の正確な把握と制御を目的としている。平成25年度はアデノウイルス3型による咽頭結膜熱の流行を検出して43件の3型を検出した。眼科検体からは流行性角結膜炎患者等56名からアデノウイルスを検出して3型(13件)、37型(23件)、56型(14件)、4型(12件)、8型(3件)、53型(3件)、11型(2件)、19型(1件)に加えて、日本で2例目の48型変異株を検出した。48型変異株は、世界でこれまで報告されたことがない複雑な組換えウイルスであり、論文印刷中であり、さらに同じ型と思われる株を分離した。現在、全塩基配列をもとに型別することが米国を中心に提唱され、我々は全塩基配列を反映した迅速で安価にできる制限酵素切断解析法を開発して論文発表した。また、PCR法を使用した新しい型別法を論文化した(印刷中)。
2: おおむね順調に進展している
世界初の流行性角結膜炎起因ウイルスと考えられる株を検出して、その全塩基配列を決定して論文化した。さらに他地域の眼科から同じウイルスと考えられる株を検出した。さらに2013年の3型アデノウイルスの流行を捉えた。
本研究で開発した安価で情報量の多い検査を普及するとともに、さらに簡易化する。眼科定点からの検体採取は難しい場合があるので、検体採取および型別の重要性を広く周知することに努める。学校サーベイランスとの連携を強め、流行を早期に探知するとともに、得られた重要な情報を論文化する。
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http://www.nih.go.jp/niid/ja/adeno-pfc-m/2110-idsc/4th/4325-adeno-virus-page.html