研究課題/領域番号 |
24592666
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
石川 誠 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10212854)
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研究分担者 |
吉富 健志 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60191623)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 加圧障害 / グルタミン酸 / 興奮毒性 / GABA / 神経保護 / 神経ステロイド |
研究実績の概要 |
加圧負荷時に、グルタミン酸は神経節細胞に神経傷害的に関与する一方、興奮抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)は神経保護的に関与する可能性がある。しかし、GABA受容体の馴化の問題もあり、加圧傷害に対するGABAの神経保護作用については、ほとんど報告されていない。神経ステロイド(NS)は、神経系においてコレステロールから合成されるステロイドの総称である。NS は細胞膜に存在する神経伝達物質受容体に作用して、神経の興奮性を急激に変化させる。Allopregnanolone (AlloP) はGABAA 受容体に作用し、中枢神経系における神経保護効果が報告されている。そこで我々は、加圧障害に対する神経保護の新たな可能性として、GABA自体よりもGABAA受容体アゴニストであるAlloPに着目した。「加圧障害時に、AlloPは内因性神経保護因子として、グルタミン酸興奮毒性に対して拮抗的に作用する」との仮説をたて検証するとともに、AlloPのGLAST及びGSに対する賦活化について調査することを新たな課題とした。 分離眼杯に加圧負荷をかけると,網膜神経節細胞にAlloPが発現した。さらに,培養液中にAlloPを投与すると、加圧による神経節細胞の傷害が防御されたことから,眼圧上昇時にAlloPは網膜神経節細胞を保護することが明らかになった。培養液中にPicrotoxinを投与するとAlloPの神経保護効果が抑制されたことから、AlloPはGABAA受容体を介して神経保護効果を発揮すると考えられた。エンザイム・アッセーの結果、AlloPは加圧負荷時にGS活性を上昇させる可能性がある。免疫組織学的検討では、AlloPはGSとGLASTの発現を上昇させる可能性がある。
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