研究課題
3年目はカニクイザルに臨床で用いられている抗VEGF薬であるranibizumabおよびafliberceptを有水晶体眼および無硝子体眼の硝子体内投与し前房水中のVEGFの動態を検討した。Ranibizumab(0.5 mg/50 µl)あるいはaflibercept (2mg/50 μl)をカニクイザルの硝子体内に注射した。注射眼および僚眼の前房水を注射直前、注射翌日、3日後、1週後から8週後は毎週採取し、-80℃で保存し、ELISAでVEGF濃度を測定した。ranibizumabの前房水中の半減期は有硝子体眼では2.3日、無硝子体眼では1.4日であった。ranibizumab投与により有硝子体眼では3週間、無硝子体眼では1週間、VEGFは測定感度以下となった。afliberceptの前房水中の半減期は有硝子体眼では2.2日、無硝子体眼では1.5日であった。aflibercept投与により有硝子体眼では6週間、無硝子体眼では4週間、VEGFは測定感度以下となった。ranibizumab硝子体注射後では僚眼の前房水VEGF濃度に変化はなかったが、aflibercept硝子体注射後には3日間、僚眼の前房水VEGF濃度が低下した。Ranibizumabとafliberceptの硝子体注射後の半減期に差は無かった。どちらの薬剤も無硝子体眼では有硝子体眼よりも半減期が短かった。afliberceptの方がranibizumabよりも有硝子体眼でも無硝子体眼でもVEGFを長く抑制した。Ranibizumabでは僚眼のVEGF濃度に影響を与えないが、afliberceptは短期間ではあるが僚眼のVEGF濃度を低下させた。
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American Journal of Ophthalmology
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Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol
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