研究課題/領域番号 |
24592670
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瓶井 資弘 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40281125)
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研究分担者 |
鈴木 三保子 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (40611166)
松村 永和 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (40611174)
辻川 元一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70419472)
小比賀 聡 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80243252)
五味 文 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80335364)
坂口 裕和 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80379172)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 青色光障害 / 酸化ストレス / マクロファージ / マイクログリア |
研究概要 |
本年度は、発症・進展メカニズム解明に基づいた根治療法開発としては、昨年度に引き続き、MCP-1阻害剤の脈絡膜新生血管対する抑制効果とメカニズムの解析をおこなった。昨年度は、選択的MCP-1阻害剤INCB3344の効果が実証できたので、本年度は、その効果発現メカニズムを探索した。マウスを用い、レーザー脈絡膜新生血管モデルを作成し、マクロファージの浸潤を評価したところ。レーザー照射により、マクロファージの集積が見られた。選択的MCP-1阻害剤INCB3344を硝子体腔に注入したところ、マクロファージ浸潤は有意に抑えられ、その結果はVEGFの蛋白量と相関していた。 次に、短波長光選択的遮光による網膜光ストレス抑制効果の検討に関しては、光酸化ストレスのメカニズム解明に関する探索をした。今年度は、マイクログリアの動向に着目して、研究をおこなった。様々な月齢のマウスに青色光を照射し、時間経過を追って評価した。その結果、光照射により、マイクログリアの形態が、突起を有する活動型に変化することが電子顕微鏡で観察された。免疫染色では、網膜血管周囲の比較的表層に存在していたマイクログリアが、時間と共に、網膜の深層、視細胞付近に移動してくることを見出した。 MCP-1阻害核酸医薬の開発は、MCP-1遺伝子のアンチセンスオリゴの、ヒト網膜色素上皮細胞株、マウスマクロファージ細胞株への導入効率が悪いことに対する改善を試み見たが、解決に至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者の異動や、研究協力者の海外留学に伴うマンパワーの減少と、アンチセンスオリゴの導入効率改善策がなかなかうまくいかないため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度着手した選択的MCP-1阻害剤INCB3344の網膜毒性をin vitro、及び、硝子体腔投与によるin vivo評価を行なう。 MCP-1阻害核酸医薬の開発は、MCP-1遺伝子の細胞株の変更やアインチセンスオリゴを新たに作成し直すことで、再度検討する。 短波長光選択的カットの検討に関しては、白色LEDを用い、特定の波長の抑制が酸化ストレス・炎症反応が抑制できるか、加齢黄斑変性初期病変を抑制ができるか、ひいては脈絡膜新生血管発症を抑制できるかを、低照度長期光照射マウスモデルを応用して検討する。 加齢黄斑変性ハイリスク因子の検討は、前年度に引き続き、血清検体を採取する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者の異動や、研究協力者の海外留学に伴うマンパワーの減少により、研究ペースが落ちたため。 また、実験動物飼育費用は、他の研究と共有することができたので、節約できた。 新たに研究協力者を確保したので、昨年度の遅れを取り戻すよう、研究計画を遂行する。
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