研究課題/領域番号 |
24592673
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
江内田 寛 佐賀大学, 医学部, 教授 (00363333)
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研究分担者 |
石橋 達朗 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30150428)
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キーワード | ブリリアントブルーG / 医療器機開発 / 医師主導治験 / 神経保護効果 / 硝子体手術 / 薬理作用 |
研究概要 |
本研究課題の25年度については、研究実施計画に基づき以下の3点について進捗を得た。 1.あたらしい観察系の開発) 前年に非臨床試験に用いたプロト機を発展させ、臨床研究用の機器を作成し、医療器機としての認可を得た後、施設IRBの承認を得て検証のための臨床研究を実施した。 2.BBGの薬理作用の探究) BBGの神経保護に関して、実験的網膜下出血のモデル動物を用い、BBG硝子体内投与における神経保護効果について検証を行った。またあわせて消炎効果についての検証を行った。 3.さらに、実施計画には記載していないが、自主開発を行った手術補助剤でBBGについてはすでに企業へのライセンスアウトに成功し、EUで製剤化がなされているが、本剤の日本導入にあたり、橋渡し研究支援と拠点AROの協力のもと医師主導治験を計画し、実際の治験を実施している。自身は利益相反の観点から、主に本治験のマネージメント業務に従事した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1.あたらしい観察系の開発)上記の概要に示したように臨床研究を遂行し、開発したシステムに搭載されているシャープカットフィルターにより、術中の羞明の軽減とBBG染色におけるコントラスト増強効果が確認されその結果を報告した(研究発表の項)。 2.BBGの薬理作用の探究)BBGの神経保護に関して、実験的網膜下出血のモデル動物を用い、BBG硝子体内投与における神経保護効果について重要な知見が得られその結果を報告した(研究発表の項)。 3.BBGの医師主導治験の実施)全国6施設において計30症例を目的に医師主導治験を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
1.あたらしい観察系の開発 すでに開発研究の出口を見据えた開発器機の知財化、器機の作成および承認、さらに臨床評価の基盤となる臨床研究までをある程度完遂しており、今後はその結果を元に全国複数の施設での評価と改良を実施し、研究成果の具体的な実用化を目指す。 2.BBGの薬理作用の探究 BBG薬剤については内境界膜染色のための手術補助剤医師主導治験を年度中に終了し、総括報告作成後、実際の薬事承認を申請する。あわせて本薬剤の将来的な適応拡大に向けた基礎的なあたらしい薬理作用の可能性についての研究を継続する。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度途中の異動が生じ(九州大学から佐賀大学)、一時的な研究中断と新しい任地での研究環境の整備が必要であった。 今後は佐賀大学眼科において、計画に記した予定通り引き続き研究活動に従事する予定である。
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