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2015 年度 実績報告書

臨床応用を目指した角膜上皮幹細胞のex vivo expansion法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592675
研究機関大阪大学

研究代表者

川崎 諭  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授(常勤) (60347458)

研究分担者 上野 盛夫  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40426531)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード再生医療 / 創薬 / レチノブラストーマ / 細胞老化
研究実績の概要

低分子による細胞増殖促進を目指して、スクリーニング用の細胞の構築を行った。ベースとしたのは骨肉腫患者由来の細胞株で、内因性のp53とpRbの発現を欠損している。この細胞にテトラサイクリン誘導下にpRbタンパクが発現するようにレンチウイルスを作成して感染させた。テトラサイクリンによりpRbタンパクを誘導するとこの細胞は細胞増殖が抑制され、同時に細胞面積が増大した。またSA-beta Galにて染色すると青色に染色され、テトラサイクリンによりこの細胞において老化が誘導されたことがわかった。この細胞では内因性のp16が発現していることが既報で報告されており、恐らくp53とpRbが欠損しているために無秩序な増殖を来しているため、p16をはじめとするサイクリン依存性キナーゼ阻害剤(p15INK4b、p18INK4c、p19INK4dやp27Kipなど)が高発現しているものと推察される。この細胞において、テトラサイクリンとともに低分子化合物を添加して細胞増殖の抑制が起こらない場合、pRb-E2F1の結合阻害を起こしていると推察され、この原理によって低分子化合物のスクリーニングを行う。スクリーニングにあたり、まず構築した細胞を2週間薬剤選択し、その後に50個のシングルセル由来のクローンを得た。ハイコンテンツイメージング機器(Operetta)を用いて、テトラサイクリン非添加(0%コントロール)とテトラサイクリン添加(100%コントロール)において細胞面積と細胞数の2つの尺度において、得られた50個のクローンについてZ’値、S/B値、CV値を計測したところ、細胞面積、細胞数のどちらの指標を用いても、7つのクローンではZ’>0.6という良好な値を得ることができた。特に良いクローンでは細胞面積でZ’値0.79、S/B値6.3を、細胞数でZ’値0.81、S/B値8.2という良好な結果を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)

  • [雑誌論文] Co-ordinated ocular development from human iPS cells and recovery of corneal function.2016

    • 著者名/発表者名
      Hayashi R, Ishikawa Y, Sasamoto Y, Katori R, Nomura N, Ichikawa T, Araki S, Soma T, Kawasaki S, Sekiguchi K, Quantock AJ, Tsujikawa M, Nishida K
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 531 ページ: 376-380

    • DOI

      10.1038/nature17000

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] PAX6 Isoforms, along with Reprogramming Factors, Differentially Regulate the Induction of Cornea-specific Genes.2016

    • 著者名/発表者名
      Sasamoto Y, Hayashi R, Park SJ, Saito-Adachi M, Suzuki Y, Kawasaki S, Quantock AJ, Nakai K, Tsujikawa M, Nishida K
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 6 ページ: 20807

    • DOI

      10.1038/srep20807

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Novel TACSTD2 mutation in gelatinous drop-like corneal dystrophy.2015

    • 著者名/発表者名
      Jongkhajornpong P, Lekhanont K, Ueta M, Kitazawa K, Kawasaki S, Kinoshita S.
    • 雑誌名

      Hum Genome Var.

      巻: 2 ページ: 5047

    • DOI

      10.1038/hgv.2015.47.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Involvement of ZEB1 and Snail1 in excessive production of extracellular matrix in Fuchs endothelial corneal dystrophy.2015

    • 著者名/発表者名
      Okumura N, Minamiyama R, Ho LT, Kay EP, Kawasaki S, Tourtas T, Schlötzer-Schrehardt U, Kruse FE, Young RD, Quantock AJ, Kinoshita S, Koizumi N.
    • 雑誌名

      Lab Invest.

      巻: 95 ページ: 1291-1304

    • DOI

      10.1038/labinvest.2015.111.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2017-01-06  

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