研究課題/領域番号 |
24592679
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
本田 美樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30348990)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ドラッグデリバリー / APRPG修飾リポソーム / Rhoキナーゼ阻害剤 / Fasudil |
研究実績の概要 |
前年度調整した、Rhoキナーゼ阻害剤(Fasudil)内封APRPG修飾リポソームをラットに点眼後、Fasudilが眼組織に到達しているかどうかの検討を行った。リポソームの脂質成:DPPC/Cholesterol/DPPG/APRPG-PEG2000-DSPE=10/5/1/1、Fasudil濃度;750 μg/mL、粒子径;112.8±10.5mm、PDI;(polydispersity index);0.14±0.05、ζ電位;-0.39±3.7とした。
組織中のFasudilの定量は以下の方法で行った。平底tubeに組織を入れ, 組織の重量を測定した(水晶体→角膜→虹彩・毛様体→網膜→強膜→脈絡膜)。組織の重量(g)×5 (mL)の0.9% NaCl/10mM Glutamine水溶液を加え、氷冷しながら完全にホモジナイズ(ジルコニアビーズ、shakeman2)を行った。その後組織ホモジナイズ液, 除タンパク抽出液である「5%過塩素酸/30%AcCN/65%MeOH」を1:1の割合で混合し、Vortex後、室温で30分間放置、遠心分離 (20000×g, 15min) 、上清を回収、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて定量を行った。実験的CNVを作成するため、BNラットにレーザー照射を行い、1日4回、2週間点眼した後、眼組織を分離した。レーザー条件は出力;90mW、照射径;100μm、照射時間0.1秒とした。HPLCを用いて薬剤の定量を行った結果、Fasudilは虹彩毛様体、脈絡膜に到達していることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
点眼後、Fasudilは脈絡膜に分布していることが確認されたが、HPLC定量においてFasudilのピークと組織由来のピークの完全な分離が困難であったため、組織ごとの薬剤の定量には更なる改善が必要と考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
1.HPLC条件の改善 2.質量分析を用いててFasudilの定量 3.点眼後、CNV抑制効果の検討
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に、Fasudil内封リポソームをラットに点眼後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、組織ごとに薬剤分布の定量を行なった。しかし、HPLC定量においてFasudilのピークと組織由来のピークの完全な分離が困難であったため、計画を変更してHPLC測定条件の改良を行うこととしたため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
Fasudil内封リポソーム点眼後の各組織における薬剤分布の定量、学会での発表、論文投稿を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てる予定である。
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