研究課題/領域番号 |
24592684
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
小嶌 祥太 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10388259)
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研究分担者 |
杉山 哲也 大阪医科大学, 医学部, その他 (20298764)
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キーワード | 緑内障 / 濾過手術 / ハイドロゲル / 線維芽細胞 / マイトマイシン / 徐放 / 眼圧 / 濾過胞 |
研究概要 |
今までの研究で、イヌ緑内障濾過手術モデルにおいて、ハイドロゲル単独術中結膜下留置により、より長期に濾過胞や眼圧下降作が維 持され、瘢痕も抑制されることが示された。さらにキマーゼ阻害薬包含ハイドロゲルを用いるとその作用がより長期に維持されること が示され、キマーゼ阻害薬の徐放作用が効果的であることが示された。そこで昨年までの研究において、実際に臨床で使用されている 、線維芽細胞増殖阻害作用のあるマイトマイシンCをハイドロゲルに浸透させ、これを徐放させて眼圧下降、濾過胞維持、および組織 学的検討を加えることとなった。実際のモデル眼への応用の前に、ハイドロゲルを浸透させたマイトマイシンCをin vitroにて徐放さ せてその濃度を確認したところ、浸透させた濃度0.4mg/mlより遙かに低い濃度にて徐放させることがわかった。そこで、家兎6匹12眼 を使用し、片眼を処置眼、両眼を対照眼として実験を行った。処置眼では、通常の緑内障モデル眼を作成し、結膜下にマイトマイシン Cを包含したハイドロゲル5x5mmを留置、対照眼では緑内障手術モデル眼でマイトマイシンを含んだスポンジを結膜下に留置した後 に除去し、生理食塩水で洗浄し、両眼とも結膜を縫合した後に、4週間後まで眼圧と濾過胞の変化を観察、4週間後に眼球を摘出して 組織学的検討を行った。結果、眼圧はややばらつきは あったものの、処置眼と対照眼に差は無かった。組織学的検討では、処置眼と対照眼ではコラーゲンの密度に差があり、vimentin染色にても両群に違いが認められ、徐放により安全な濾過手術が行われる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究実績の概要】において、pilot studyでの実験動物が測定途中で死亡したため、結果に反映できる数が少なくなった。 ただし、現在では追加実験により6匹12眼では実験が達成され、予想通り、眼圧の下降作用は処置眼、対照眼とも大きな差がなかったが、組織学的変化では差 が生じて、マイトマイシンCのハイドロゲルによる徐放が、ほり安全活効果的に濾過胞維持および眼圧下降作用を生じる可能性が示唆 された。これらより、今後の実験指針をたてることが可能となっている。
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今後の研究の推進方策 |
seUpNdu9現在すでに摘出した組織標本を検討し、マイトマイシンc包含ハイドロゲルの緑内障手術モデル眼における効果と安全性を確認する。その結果にて、他の群にてより長期(3カ月程度)の眼圧変化、組織学的変化を確認し、さらにTGF-βやROCK阻害薬などをハイドロゲルに包含 して同様の実験を行い、どの薬剤がより効果的かつ安全に使用できるかを確認していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は使用したイヌの数が予想よりも少なくてすみ、余剰分は来年度での実験、特に高額になるイヌの購入 に使用するためにおいておいた。 イヌ6匹を購入し、TGFβ阻害薬などの線維芽細胞増殖抑制薬を浸透させたハイドロゲルを緑内障手術モデルに適用して眼圧下降作用、濾過胞維持効果を組織学的所見も含めて検討し、さらに今まで用いてきたキマーゼ阻害薬やマイトマイシンCなどとの同作用と比較する。
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