研究成果の概要 |
中心窩に神経幹細胞が存在するという仮説のもとに, サル眼を用いて神経幹細胞マーカー(Nestin, PAX6, SOX2)の遺伝子発現を網膜各部位で調べた。カニクイザルの中心窩, 赤道部, 最周辺部の網膜を1mm×1mm摘出しRNAを抽出した。リアルタイムPCR法により各サンプル中の遺伝子発現を定量した。Nestinは中心窩に発現が最も多く,赤道部,最周辺部では少なかった。PAX6は,各部位で差は見られなかった。SOX2は最周辺部に最も発現が高く, 赤道部, 中心窩にいくにつれて低下した。黄斑部にはNestin陽性の未分化な細胞が多く, 種々の黄斑疾患の病態に関与している可能性が示唆された。
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