研究課題/領域番号 |
24592689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
竹内 大 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (40260939)
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研究分担者 |
櫻井 裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (00235227)
唐澤 容子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (60535540)
播本 幸三 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (80626804)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ぶどう膜炎 / ベーチェット病 / T細胞 / サイトカイン / Th1 / Th17 |
研究概要 |
ベーチェット病ぶどう膜炎において、抗TNFα抗体であるInfliximabはステロイド、シクロスポリンなどの既存の治療に抵抗性な症例に対しても有効であるが、治療効果が減衰する症例や初期より有効性の乏しい症例もみられる.以前に我々は、ベーチェット病ぶどう膜炎患者の末梢血T細胞をIRBPで刺激したところ、IL-6, IL-17, およびIFN-γ産生が健常者と比較して有意に増加していること、そして活動性の後眼部炎症をもつベーチェット病ぶどう膜炎患者では活動性に低い患者と比較してIRBP刺激によるIFN-γ産生が有意に亢進していることを認めた。今回我々は、Infliximab治療開始前後に末梢血T細胞を採取し、IRBPペプチド刺激に対するIL-6, IL-17, およびIFN-γの産生量からぶどう膜炎の活動性、Infliximab治療の有効性、Infliximab治療離脱の視標になり得るか検討することを目的とした.防衛医科大学倫理委員会の承認後、健常人10名の末梢血T細胞をヒトIRBPのアミノ酸残基1~20位からなる合成ペプチド(hIRBP1-20)で刺激し、上記のサイトカイン産生を測定したが、有意な産生は何れのサイトカインについてもみられなかった.これまでの結果から、B6マウスにおいてぶどう膜炎惹起能を有するhIRBP1-20は、B6マウスのT細胞抗原決定領域を含んでいるがヒトの抗原決定領域は含んでいないと考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、本研究を防衛医科大学倫理委員会に申請し、承認が得られ、まずは実験のセットアップを目的に健常者の末梢血T細胞をIRBPペプチドで刺激する実験を行った.IRBPペプチドは、B6マウスの免疫に用いるアミノ酸配列1-20のものを用いたが、全くサイトカイン産生が得られなかった.やはりT細胞受容体抗原決定領域が他の部位にあることが考えられた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は以前の研究と同様に豚網膜から採取したIRBP蛋白を刺激抗原として用い、健常人の末梢血T細胞からIRBPの刺激濃度依存性に有意なIL-6, IL-17, およびIFN-γの産生が得られれば、ベーチェット病ぶどう膜炎患者の末梢血T細胞をInfliximab治療開始前後で採取し、測定していく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
豚網膜からのIRBP精製、末梢血からのT細胞分離、およびin vitroでのT細胞短期培養に必要な試薬、消耗品、サイトカイン測定キットに用いる予定である.
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