研究実績の概要 |
目的:インフリキシマブ(Inflix)投与前後のベーチェット病(BD)患者末梢血T細胞の眼組織抗原に対する炎症性サイトカインを含むTh1、Th2、およびTh17サイトカイン産生を解析し、その効果を検討すること. 方法:対象は8名のぶどう膜炎を有するBD患者で、平均年齢36.0歳、男女比7:1、平均Inflix治療期間は30.0ヶ月であった.インフリキシマブ投与前、投与後1週目、および10名の健常者の末梢血を採取し、in vitroにて網膜特異抗原であるIRBPで48時間刺激後、その上清中のIL-1β, IL-4, IL-6, IL-10, IL-17A, IL-17F, IL-21, IL-22, IL-25, IL-31, IL-33, IFN-γ, soluble sCD40L,およびTNFα をBio-Plex Pro™ human Th17 cytokine assays®キットにて測定した. 結果:検出できなかったIL-25,IL-33以外のサイトカインは、Inflix投与前のBD患者で最も高く、Infix投与後は抑制され、Inflix投与後のIL-4およびIL-10産生は健常者と同程度間まで抑制されていた.しかし、IL-4,IL-10, およびsCD40L 以外のサイトカインInflix投与後に減少していたが、健常者よりも高値であった. 結論:ぶどう膜炎に関与するTh細胞関連サイトカインは、ぶどう膜炎を増悪させるものだけではなく寛解に働くサイトカインもインフリキシマブ治療により抑制されていた.しかし、BD患者におけるサイトカイン産生は、インフリキシマブ治療後も健常者より高値であった.
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