これまでの研究では、巨大欠損孔の横隔膜ヘルニアに対してパッチ閉鎖を行う際に、自己由来の組織と置き換わるscaffoldを開発し、臨床応用可能であることが明らかとなったが、人体に使用するにはより強度が必要となる。よって、いかに強度を上げられるかを追求する。 欠損した臓器の再生をin vivoにおいて図るための新しい手法の開発が本研究の第一の目的である。よって、いかに強度を上げられるかを追求する。本研究にて用いるPLGA mesh-collagen sponge hybrid scaffoldに大網を間置する手法は、たとえ筋再生が得られないとしてもscaffold担体を用いる手法に比してより強度があることが証明されれば、現在ある人工素材を置き換えるものとして臨床の場にすぐに還元しうる技術である。本研究は早期に臨床応用可能な技術の開発の側面があり、これが第二の目的である。 我々はPLGA mesh-collagen sponge hybrid scaffoldによる欠損孔の再生を研究してきたが、それが大網間置によってより強固なものになるか、また血管系を有する再生横隔膜として有効に機能するかを明らかにする。このため、まず、重層させたPLGA mesh-collagen sponge hybrid scaffoldに血管系を有茎に残した大網を間置させて、欠損孔に縫着する技術を確立すべく、PLGA mesh-collagen meshを制作。ラット横隔膜ヘルニアモデルを作成し、そこにPLGA mesh-collagen meshを縫着するが、sheet縫着の際は、血管系を有茎に残した大網を間置し、「新横隔膜」への栄養血管とすることにより筋再生を図ることができるかを検討した。
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