研究分担者 |
幡野 雅彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20208523)
吉田 英生 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60210712)
光永 哲也 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80375774)
坂本 明美 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90359597)
中田 光政 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90375775)
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研究実績の概要 |
平成26年度は、胆道閉鎖症(BA)における全身・局所免疫環境におけるTh17細胞とTreg細胞の相互関係を検証し、Tregの機能を解析した。 1. BA16例の術前血清を用いflow cytometryにてIL-17AとIL-10濃度を測定し、正常コントロール群(NC)13例・胆汁鬱滞性コントロール群(CC)15例と比較した。BA, NC, CC群の順に、IL-17A検出例は 1・1・2検体、IL-10は2・1・3検体であり、病態形成期に両者の免疫学的作用が全身に及ぶ可能性は否定的であった。2. BAとnonBA各10例の肝内IL-17A, TGFbeta, FoxP3のmRNAレベルをPCR法で測定した。両群ともIL-17Aはほぼ検出されず、TGFbetaとFoxP3はBAで有意に高値であった。3. FACSにて末血CD4+Tリンパ球中に占めるCD4+CD25+FoxP3+細胞(Treg)のpopulationを測定した。BA(日齢32)は3.3%、肝芽腫3ヵ月児8.5%、10歳潰瘍性大腸炎2.5%であった。4. CFSE suppression assayにて、Tregの増殖抑制能を調べた。1 well中にエフェクター細胞を撒布しTregを添加、増殖刺激下に3日間培養した。特定のCFSE減衰(4回分裂)を示したエフェクター細胞の割合(M4,%)を計測した。コントロール(卵巣嚢腫日齢6)ではM4は23%でTreg添加で9%に抑制された。BA I cyst胎児診断例(日齢4)はM4が29%、Treg添加で32%であったが(tripletのmean, p=0.02)、3倍量のTregを加えると20%に抑制された。 以上より、BAの全身・局所免疫環境下ではTh17/Tregバランスの不均衡は明らかでなかった。一方全身から肝にTregが動員され、I cyst新生児例でTregの機能低下が示唆された。
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