研究課題/領域番号 |
24592695
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所) |
研究代表者 |
奈良 啓悟 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, その他 (00432477)
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研究分担者 |
福澤 正洋 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (60165272)
大植 孝治 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50314315)
上原 秀一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00448060)
上野 豪久 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10456957)
銭谷 昌弘 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (40643531)
中畠 賢吾 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (50643532)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Survivin / 横紋筋肉腫 / YM155 |
研究実績の概要 |
横紋筋肉腫細胞株に対して、日本でも臨床試験中であるSurvivin発現抑制剤であるYM155の効果を検討した。まず、ヒト胎児型横紋筋肉腫の細胞株でSurvivinが高発現していることを確認している[RD]に対して、YM155の効果を、Real time PCRおよびWestern Blotting にて調べた。その結果、YM155にてmRNAの発現量はYM155投与後48時間で20%まで抑制されていた。また、48時間でのタンパク量も抑制されていることを確認した。次に、in vitro でのYM155のRD細胞の増殖抑制作用と抗癌剤との相乗作用の検証として、WST-8 Assayを用いて、細胞の生存率を調べた。抗癌剤は横紋筋肉腫の治療に使用しているCDDPとVAC療法(CPA,VCR,DXR)の3剤の計4剤で検討した。まず、YM155単独でのRD細胞の生存率は、YM155の用量依存的に低下した。次にYM155と各種抗癌剤を投与した。その結果、YM155とCDDPとの併用時に生存率の低下を認め、YM155が抗癌剤の作用を増強することが分かった。しかし、他の3剤では、明らかな相乗効果は見られなかった。引き続いて、YM155のApoptosisの促進作用の検証を行った。YM155投与群ではApoptosisが亢進していることが示された。また、CDDPとの相乗作用でさらにApoptosisを亢進することが分かった。さらにin vivo での実験を行った。YM155のRD細胞株のヌードマウス接種モデルによる腫瘍効果の検証として、ヌードマウスに腫瘍を移植したのちにYM155とCDDPを投与し腫瘍径を計測した。まず、NOD-SCIDマウスに5x106個のRD細胞を皮下注することで、横紋筋肉腫が形成されることを確認した。その形成された腫瘍を採取し、BALB/c ヌードマウスの皮下に移植した。YM155およびCDDPを腫瘍内に注入した。その結果、YM155単独でも腫瘍は縮小し、CDDP併用で、さらに腫瘍の縮小を認めた。横紋筋肉腫株のRDで、Survivinの阻害剤であるYM155にてin vitro, in vivoにおいて腫瘍抑制効果が示された。
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