研究課題/領域番号 |
24592697
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林田 真 九州大学, 大学病院, 助教 (70452761)
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研究分担者 |
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
柳 佑典 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30596664)
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キーワード | 胆道閉鎖症 / 小児外科 / 成因 |
研究概要 |
胆道閉鎖症は、進行性で肝移植を余儀なくされることも多く、現在においても解決すべき問題が残されている。胆道閉鎖症の病因として様々な仮説が提唱されてきたが、いずれも胆道閉鎖症の発生を十分に説明するにはいたっていないのが現状である。GVHDと胆道閉鎖症との類似性より、母体より移入した母親由来の細胞がGVHD様反応を引き起こし、形成されていた胆管を傷害し胆管が閉鎖するということを仮説とし、児の肝における母親由来の細胞(meternal microchimerism)を検索する。胆道閉鎖症初回手術時に得られる肝生検標本と肝門部肝管・胆嚢・総胆管標本を使用しmicrochimerismの証明、分布についてFISHを用いたキメラ細胞の検出を確立した。対照群として他の肝疾患肝生検標本を使用した。胆道閉鎖群はコントロールと比較し有意にキメリズム率が高いことが証明された。さらに症例を蓄積することにより、肝組織標本の収集と作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肝組織内のキメリズムの分布を検索するため、FISHのみならず、他の免疫染色を併用し、キメラ細胞がどのような種類の細胞か明らかにすることにより、胆道閉鎖症の成因が明らかになる可能性を考えられるが、免疫染色との二重染色の手技が確立できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
総胆管remnant標本において肝門部、総肝管、総胆管chimerismの分布、肝生検標本においてマイクロダイセクションを用いて肝内のchimerismの分布を評価する。今後、chimerismからGVHDの発症へのメカニズム、hepatic GVHDからBA発生のメカニズムの解明が必要となるため、キメラ細胞の性質を明らかにするため免疫染色との二重染色の手技を確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
FISHと免疫染色との二重染色の手技が確立できていない。 FISHと免疫染色との二重染色の手技を確立しキメラ細胞の解明に取り組むため、免疫染色に用いる抗体等に使用。
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