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2013 年度 実施状況報告書

組織工学と多能性幹細胞の腸管分化誘導技術を融合した新しい腸管移植法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592699
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

金廣 裕道  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30204580)

研究分担者 植田 剛  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40526810)
キーワード多能性幹細胞 / 腸管分化誘導 / iPS細胞 / 脂肪由来幹細胞 / 細胞シート / 短腸症候群
研究概要

以前よりわれわれは、多能性幹細胞から臓器としての腸管分化誘導を行ってきた。分化誘導された腸管は蠕動運動能や腸管内容運搬能を有する臓器としての管腔状の腸管で、解剖学的に解析すると粘膜上皮細胞、平滑筋細胞、ICC、神経細胞などの腸管特異的な三胚葉系細胞で構成されている。一方で、血管やリンパ管といった脈管が存在せず、粘膜上皮も単層で陰窩も存在しない。このままでは、移植用腸管としては使用が困難であるため、脂肪由来幹細胞の血管新生能に着目し、脂肪成分と血管成分を有する腸間膜様の構造をin vitroで作成し、分化誘導された腸管と共培養することで、新たなる腸管移植の可能性に向けて研究を進めている。
分化誘導腸管は脈管新生がない影響もあり、誘導後比較的早期に蠕動運動が停止してしまうが、以前から当科で行ってきた肝細胞のシート状培養技術を応用し、脂肪由来幹細胞をシート状に培養することで、腸間膜類似構造として、血管を有する脂肪組織の作成にとりかかっている。さらに分化誘導された腸管と共培養し、生体と同様の腸管並びに腸間膜の関係のようにin vitroで長期培養が可能な腸管構造の作成のための条件設定を行っている最中である。脂肪由来幹細胞から誘導された腸間膜構造の至適培養期間を調整中であり、今しばらくの時間を要するものと判断している。
本研究は、最終的には、ドナー由来のiPS 細胞を分化誘導して作成する腸管と、同じドナー由来の脂肪由来幹細胞を用いた腸間膜を共培養することにより、拒絶反応のない腸間膜、血管を有した人工腸管の移植の可能性を秘めており、短腸症候群に対する新たな治療戦略となると判断している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脂肪由来幹細胞由来の細胞シートで血管構築の至適条件と、共培養のタイミングの設定に難渋している。

今後の研究の推進方策

脂肪由来幹細胞シートを作製し、血管構築を有する腸間膜様の構造を作成し、これを以前から行ってきた多能性幹細胞から分化誘導した腸管と共培養することにより、in vitroでの血管を有する腸管臓器を作成する。短腸症候群のモデルマウスに移植し、生着能の評価、栄養状態などの改善効果に関しても検討中である。

次年度の研究費の使用計画

現在当該研究を進行中である。今年度も引き続き施行する予定である。
脂肪由来幹細胞シートを作製し、血管構築を有する腸間膜様の構造を作成し、これを以前から行ってきた多能性幹細胞から分化誘導した腸管と共培養することにより、in vitroでの血管を有する腸管臓器を作成する。短腸症候群のモデルマウスに移植し、生着能の評価、栄養状態などの改善効果に関しても検討中である。
新しい腸管移植研究の第一歩となるため、今後も本研究を継続する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 腸管再生医療 iPS細胞から腸管の臓器再生2013

    • 著者名/発表者名
      山田 高嗣、植田剛、中島祥介
    • 雑誌名

      G.I.Research

      巻: 21 ページ: 166-170

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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