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2012 年度 実施状況報告書

先天性消化管閉塞性疾患における好酸球性炎症の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24592702
研究種目

基盤研究(C)

研究機関群馬県衛生環境研究所

研究代表者

山田 佳之  群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (80309252)

研究分担者 池田 均  獨協医科大学, 医学部, 教授 (10326928)
田口 智章  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
林 泰秀  群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (30238133)
加藤 政彦  群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (30292593)
平戸 純子  群馬大学, 医学部, 准教授 (60208832)
黒岩 実  東邦大学, 医学部, 教授 (90234583)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード先天性消化器疾患学 / 好酸球
研究概要

群馬県立小児医療センターでの2005年から2012年までのヒルシュスプルング病(H氏病)とその類縁疾患に関する病理所見を好酸球浸潤に関して後方視的に検討した。H氏病61検体、疑い32検体、類縁疾患8検体、類縁疾患疑い1検体が存在し、好酸球浸潤が確認されていたのはH氏病5例、類縁疾患1例であった。これらを中心に全ての症例の病理所見の好酸球に関する再評価をすすめている。また先天性食道閉鎖・狭窄に関しては2005年以降の群馬県立小児医療センターの先天性食道閉鎖・狭窄症例において好酸球浸潤がみられた症例に関して再評価し論文発表した(研究発表欄参照)。免疫染色はeotaxin-3、肥満細胞トリプターゼ(MCT)、高親和性MBP抗体、高親和性EDN抗体での染色に向けて検討を行った。eotaxin-3、MCTについては研究分担者の平戸を中心に系を確立した。また抗MBP抗体、抗EDN抗体での検討については、米国メイヨークリニックHirohito Kita博士の教室から実際の染色方法を入手し、これまで同染色を施行したことのある研究分担者の加藤とともに準備を整えた。病勢指標となる細胞表面分子としては群馬大学 村上博和博士との共同研究として、Th1、Th2マーカーとして最適な分子を探るため健常成人ボランティア血にて検討を行い、CD4陽性リンパ球でのケモカイン受容体等の発現をフローサイトメーターで検討し、Th17細胞や制御性T細胞と重複のあるケモカイン受容体等はTh1/2疾患の指標として適していない可能性が考えられた。マイクロアレイによる検討としては疾患コントロールとなると考えられる好酸球性消化管疾患患者(疑いを含む)の消化管の生検組織を数例採取した。研究協力者の松本健治らが検討中である。またこれらの検討はいずれも群馬県立小児医療センター倫理委員会で承認を得ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

免疫染色、フローサイトメーターを用いた研究の基礎的な実験を行い、準備が進んだ。また検討するに十分な数のヒルシュスプルング病患者の生検検体の存在が確認できた。その中で実際に好酸球が関連している症例も存在していた。さらには先天性食道閉鎖・狭窄に関してはすでに論文発表を行った。また数例のマイクロアレイの検討用の検体も採取することができた。以上のことからおおむね順調な進展と考えている。

今後の研究の推進方策

ヒルシュスプルング病(H氏病)関連の102検体のH&E染色に関する再評価と同意が得られたものに関しては免疫染色を行う。また新規の検体についても同様に行う。単一施設の検討で一定の傾向が認められた場合には多施設でも同様に検討する。H氏病疑いの検体も多く存在したので、実際にH氏病と診断された検体と疑いの検体での差異を検討する。また食道閉鎖・狭窄症例については新規検体で病理と並行して白血球表面抗原、血清、尿、便、マイクロアレイの検討をすすめる。

次年度の研究費の使用計画

臨床情報の把握のため検体のリスト等を作成する(現在のものに続けて記載)。新規検体では血清、尿、便での好酸球関連分子、サイトカインの検討、フローサイトメトリーによるTh1/2関連分子、好酸球関連分子の発現の検討、免疫染色、遺伝子の網羅的解析を行うため試薬(抗体・緩衝液・培地・化学薬品など)、プラスチック器具(フラスコ・培地皿・チューブなど)等を購入する。また研究の打ち合わせ、資料収集のため学会等に参加し発表する。さらに論文発表のための論文校閲費等に用いる。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Esophagitis with eosinophil infiltration associated with congenital esophageal atresia and stenosis2013

    • 著者名/発表者名
      Yamada Y, et al.
    • 雑誌名

      Int Arch Allergy Immunol

      巻: 不明 ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Elevated MIP-1 and IL-17 Production in Experimental Asthma Model Infected with Respiratory Syncytial Virus2013

    • 著者名/発表者名
      Ishioka T, et al.
    • 雑誌名

      Int Arch Allergy Immunol

      巻: 不明 ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小児の消化器疾患‐症候から最新の治療まで 好酸球性食道炎2013

    • 著者名/発表者名
      山田佳之
    • 雑誌名

      小児科診療

      巻: 第76巻2月号 ページ: 297-301

  • [雑誌論文] Eosinophilic gastrointestinal disorder in an infant with feeding dysfunction2012

    • 著者名/発表者名
      Yamada Y, et al.
    • 雑誌名

      Int Arch Allergy Immunol

      巻: 158 Suppl 1 ページ: 83-86

    • DOI

      doi: 10.1159/000337797

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小児疾患の診断治療基準(第4版) 好酸球性胃腸炎・腸炎・食道炎2012

    • 著者名/発表者名
      山田佳之
    • 雑誌名

      小児内科

      巻: Vol.44 増刊号 ページ: 390-391

  • [雑誌論文] 好酸球顆粒蛋白は何をしているのか2012

    • 著者名/発表者名
      山田佳之
    • 雑誌名

      分子消化器病

      巻: Vol.9 ページ: 201-206

  • [学会発表] 本邦での小児好酸球性食道炎、食道好酸球浸潤に関する実態調査

    • 著者名/発表者名
      山田佳之、他
    • 学会等名
      第115回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
  • [学会発表] 本邦での小児の好酸球性食道炎に関する後方視的調査

    • 著者名/発表者名
      山田佳之、他
    • 学会等名
      第49回日本小児外科学会学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
  • [学会発表] 先天性食道閉鎖症・狭窄症における食道好酸球性炎症

    • 著者名/発表者名
      山田佳之、他
    • 学会等名
      アレルギー・好酸球研究会2012
    • 発表場所
      大手町サンケイプラザ(東京都)
  • [学会発表] RSウイルス感染喘息マウスにおける好酸球性炎症の検討

    • 著者名/発表者名
      石岡大成、他
    • 学会等名
      アレルギー・好酸球研究会2012
    • 発表場所
      大手町サンケイプラザ(東京都)
  • [学会発表] 先天性食道閉鎖症・狭窄症に関連した食道好酸球増多

    • 著者名/発表者名
      山田佳之、他
    • 学会等名
      第39回日本小児栄養消化器肝臓学会
    • 発表場所
      梅田スカイビル(大阪府)
  • [学会発表] 好酸球性消化管疾患 「わかりにくい免疫疾患をわかりやすく」

    • 著者名/発表者名
      山田佳之
    • 学会等名
      第49回日本小児アレルギー学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府)
  • [学会発表] 好酸球性顆粒蛋白によるウイルス感染気道上皮細胞傷害とそのメカニズム

    • 著者名/発表者名
      加藤政彦、他
    • 学会等名
      第62回日本アレルギー学会秋季学術大会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府)
  • [学会発表] 食道の好酸球性炎症を認めた先天性食道閉鎖症(術後)・狭窄症

    • 著者名/発表者名
      山田佳之、他
    • 学会等名
      第62回日本アレルギー学会秋季学術学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府)
  • [学会発表] 好酸球の様々な疾患での役割

    • 著者名/発表者名
      山田佳之
    • 学会等名
      第17回出雲分子消化器病研究会
    • 発表場所
      島根大学医学部(島根県)
    • 招待講演
  • [図書] 0・1・2・3歳の食物アレルギー相談対応マニュアル、Q04. 消化管アレルギーとはどんなアレルギーなのでしょうか?2013

    • 著者名/発表者名
      山田佳之
    • 総ページ数
      10-13
    • 出版者
      診断と治療社
  • [図書] Eosinophils in Health and Disease, Chapter 14.6 Mouse Model of Chronic Eosinophilic Leukemia2012

    • 著者名/発表者名
      Yamada Y, et al.
    • 総ページ数
      562-567
    • 出版者
      Elsevier
  • [図書] 保護者と学校の先生に伝えたい食物アレルギーの基礎知識、Column 消化管アレルギーとは2012

    • 著者名/発表者名
      山田佳之
    • 総ページ数
      40-42
    • 出版者
      診断と治療社

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公開日: 2014-07-24  

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