研究課題
ヒルシュスプルング病(H氏病)とその類縁疾患患者病理標本を好酸球性炎症に関し再評価した。スライド数102枚(数百検体)のうち、まずは2005年から2008年の検体を病理医の指導のもと組織好酸球数測定を習得した3人の臨床検査技師が本検体の組織好酸球数をH氏病と疑いに終わった検体で比較した。それぞれのグループ内において好酸球数のバラつきが大きく、特に疑い群で大きい傾向にあった。現時点では有意ではないが中央値の比較ではH氏病群で好酸球数が多い傾向にあった。さらに多数の検体の測定が可能であることから今後につながる所見であると考えた。またH氏病類縁疾患に合併した好酸球性胃腸炎症例で我々が報告した多種抗原除去療法を施行し、改善が確認できた。また再導入の過程で原因食物が特定できた。食物再導入ごとの便、またマイクロアレイ用の生検検体を採取した。さらに関連分子を絞り込むため実験モデルを確立した。PHK26染色上皮細胞株(Caco-2)と末梢血好酸球を共培養しAnnexin-V-FITCを用いて傷害上皮細胞を測定する方法を温度制御で細胞を剥がすことの出来るUpCell上で行うことで、より生理的なモデルを確立した。またこれまで行なってきたTh1、Th2マーカーの検討ではTh17のケモカイン受容体とTh2マーカーとされているCRTH2の発現をさらに詳細に解析した。多くのケモカイン受容体ではこれまでの制御性T細胞の検討と類似であり、やはりTh17と重複の大きいケモカイン受容体はTh1/Th2マーカーとして適していない可能性が考えられた。またさらに既報にあるTh2とTh17の両方の性質を持つリンパ球のCRTH2陽性リンパ球中での存在が判明した。本細胞群もTh2代用分子の測定での注意点の一つと考えられた。
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