研究課題/領域番号 |
24592704
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
堀内 勝己 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (60625028)
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研究分担者 |
山本 有平 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70271674)
古川 洋志 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00399924)
小山 明彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
舟山 恵美 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10533630)
林 利彦 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (00432146)
大澤 昌之 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (70625029)
関堂 充 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40372255)
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キーワード | リンパ流 / 蛍光イメージング / In vivo imaging system |
研究概要 |
皮膚に皮弁移植術や植皮術のような外科侵襲を加えた際に寸断された真皮内・真皮下リンパ管網は、術後のリンパ管再生により再開通すると考えられている。そのリンパ流再構築様式に関して基礎研究では様々な検討が行われているものの、皮弁移行術や植皮術施行後の真皮下リンパ管網の再構築に関しては未だ十分な検討が行われていない。そのためインドシアニングリーン(ICG)と近赤外線光を利用した蛍光イメージング技術を用いてそのメカニズムを解明することを目的としている。 昨年度はラットを用いて、島状と有茎の形状の異なる皮弁を同一固体内の左右腹部に作成し比較対象とした。しかし、人体におけるような浮腫は生じず、優位な差を認めなかった。 本年度は片側のみに島状皮弁、有茎皮弁、全層植皮、分層植皮を行い、別個体での比較を試みた。しかし植皮の生着が安定せずモデルとして使用することができなかった。次にマウスの後肢のリンパ浮腫モデルに着目し、その改善メカニズムのイメージングに着手した。左後肢の膝窩リンパ節を摘出後その中枢・末端でリンパ管を結紮した。さらに鼠径部の軟部組織を郭清することで一定期間持続するリンパ浮腫モデルを作成した。そのリンパ浮腫モデルと何も行っていないcontrol群のマウスをIn vivo imagin systemを用いて比較した。浮腫を起こした側の足底にICGを注入しその蛍光強度を10分後から5時間後まで1時間おきに計測した。術後2週目までは浮腫モデル群では数値の低下が遷延していたが、4週後にはほぼ同様の数値の低下傾向となった。蛍光強度の低下がリンパ流の回復と相関しているものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度と同様に差異の見られる動物モデルの作成の試行錯誤を繰り返していたため。定量化の手技も近赤外線カメラシステム(PDE)からIn vivo imaging systemに変更を行い、新たな機器の取り扱いの習熟にも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
マウスをそれぞれ2匹ずつでしか実験を行っていないので今後nを増やす方針である。また足の体積を測定する機器を購入し、蛍光強度の変化と足の体積の変化の相関性についても検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
使用動物をより単価の安いマウスに変更したため。 マウス、ラットの購入。リンパ管内皮細胞が染まるLYVE-1やリンパ管新生因子であるVEGF-Cなど、免疫組織学的検討に必要な試薬、抗体の購入。病理検体作成の外注など。 一部3月に購入した分について平成26年4月に支払いがなされるので未使用額が生じている。
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