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2013 年度 実施状況報告書

新しいメタボリックシンドロームモデルマウスを用いた創傷治癒メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 24592706
研究機関筑波大学

研究代表者

佐々木 薫  筑波大学, 医学医療系, 講師 (10536220)

研究分担者 蕨 栄治  筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
柳川 徹  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
キーワードA170 / 紫外線 / UVA / アポトーシス
研究概要

本研究は創傷治癒過程における代謝異常について、ストレス応答遺伝子A170に着目し、その分子機能、代謝異常と創傷治癒との関連を以下の計画で明らかにすることを目的としている。本研究で着目する遺伝子A170は、Nrf2-Keap1に制御されている遺伝子であり、代表者らは、Nrf2-Keap1システムの研究過程で、血流やメスによる切開などにより生じる物理的外力に伴い発現変動する遺伝子をマイクロアレイにより網羅的に探求したところ、A170が動くことを発見した。A170の分子機能を明らかにすべく、その遺伝子欠損(KO)マウスを作製し、解析を行ってきた。その結果、驚くべきことにA170 KOマウスは過食となり、それに伴うメタボリックシンドロームを呈することをこれまでに明らかにしている。
昨年度までに、野生型、A170遺伝子欠損マウスより単離した胎児由来線維芽細胞(MEF)を用いた解析により、A170-KO MEFは紫外線誘導性アポトーシスに抵抗性を示すことを明らかにした。
本年度はそのメカニズムについて、シグナル伝達のレベルで詳細に解析した。その結果、A170-KO MEFでは、抗アポトーシスに関わるBcl-xlの発現が顕著に亢進しており、これが紫外線によるアポトーシスの抵抗性の要因となっていると考えられた。また、さらにその上流の因子として、Src、Stat3等の増殖シグナルの亢進が関与しており、これまでに血管平滑筋細胞で見られた増殖亢進と同様な現象がMEFでも見られていると考えられた。
今年度はさらに、in vivoでMEFと同様の現象が見られるかを調べるために、マウス個体にUVAを照射する予備的検討を行った。UVAの照射により、上皮細胞はアポトーシスを起こし、サンバーンを形成するが、その程度はA170-KOマウスで著明に低かった。次年度は個体を用いた解析を、シグナル伝達のレベルでさらに解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度見出された、A170-KO MEFが持つ紫外線誘導性アポトーシスに対する抵抗性について、シグナル伝達のレベルでメカニズムを明らかにすることが出来た。さらに、個体を用いても同様の現象が見られることを明らかにしつつあり、A170と紫外線誘導性アポトーシスに対して、新しい知見を得ることが出来た。

今後の研究の推進方策

マウス個体(野生型、A170-KO)を用いて、皮膚に紫外線を照射した際に起きる変化を組織学的、生化学的解析に解析し、その差異を明確にする。また、アポトーシス関連タンパク質の状態をウエスタンブロット、免疫組織化学の手法を用いて解析し、そのメカニズムについて解明する。

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公開日: 2015-05-28  

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