研究課題/領域番号 |
24592706
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 薫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10536220)
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研究分担者 |
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | A170 / 紫外線 / UVA / アポトーシス |
研究実績の概要 |
本研究は創傷治癒過程における代謝異常について,ストレス応答遺伝子A170に注目し,その分子機能,代謝異常と創傷治癒との関連を明らかにすることを目的としている.本研究で着目する遺伝子A170は、Nrf2-Keap1に制御されている遺伝子であり、申請者らは、Nrf2-Keap1システムの研究過程で、血流やメスによる切開などにより生じる物理的外力に伴い発現変動する遺伝子をマイクロアレイにより網羅的に探求したところ、A170が動くことを発見した。A170の分子機能を明らかにすべく、その遺伝子欠損(KO)マウスを作製し、解析を行ってきた。その結果、驚くべきことにA170 KOマウスは過食となり、それに伴うメタボリックシンドロームを呈することが明らかとなった.その分子メカニズムとして,中枢神経系におけるレプチンシグナル伝達,とくにStat3の核移行の制御異常が示唆されているが,他の蔵機や上皮組織におけるA170の役割は明らかではない.昨年度までに.A170-KOマウスより単離した線維芽細胞(MEF)は紫外線誘導性アポトーシスに抵抗性であること,そのメカニズムとして,抗アポトーシス因子であるBcl-xlの発現が亢進しており,Src,Stat3の増殖シグナルの亢進が関係していることを明らかにしてきた.今年度はマウス個体レベルにおける解析を進め,A170-KOマウスにおいては紫外線照射による皮膚サンバーン形成が顕著に抑制されることを組織学的に明らかにした.A170は増殖シグナルの調節に関わっており,その欠損によりアポトーシス抵抗性が惹起されることが個体レベルで示された.
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